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目が覚めたら医務室のベッドだった。
あぁ…なんか久し振りにオーラが空っぽな感じだな。とんでもなく、体が重たいし。
「お、目が覚めたみたいだな。体の具合はどうだ?」
「最高に悪いね」
「まぁ、万全状況での解放ならまだしも、瀕死状況からの解放じゃあな」
「死ぬよりマシかなって」
「死に掛けてたじゃねぇか」
「うるさいよ」
タイミングが良いのか悪いのか、あたしの様子を見に来たのかリョーガが顔を出した。
ゆっくりと起き上がろうとすると、リョーガに無理すんなとまたベッドに寝かされた。
ていうか、リョーガが帰って来たのはいいけど…篤京に続いてあたしも動けないから、今度はリョーガが特務に追われる身になるんじゃないだろうか。
いや、まぁ…あたしは一週間くらいで復帰は出来るだろうけどさ。篤京は、一ヶ月くらい安静にしてなきゃだろうからなぁ。
「すぐに徳川と越知さん達が戻って来るってよ」
「ふーん」
「あんまり沙羅に無理させんなって言ったら、すぐ帰るだとよ」
「無理する前に帰って来て欲しかったけどね」
「最近、各地でも黒禍が突然出現するらしいぜ?徳川はその処理での遠征だったらしい」
「カズヤが、無駄な遠征しないの知ってるし。別に誰かを責める気はないよ」
いや、平等院はダメだ。あいつは、許されない。
ていうか、そろそろ本気で日本に戻って来いよ。ふらふらしてる暇があるなら、日本で黒禍無差別殺戮ツアーしてろよ。
あいつがいるだけで特務が減るどころか、雑魚狩りもしなくて済むし。
任務外の相手だろうとあいつに見付かったら、問答無用で殲滅させられるからね。あいつ程の戦闘狂をあたしは、知らない。
「怒る気力もないみたいだな。久し振りに俺の分けてやろうか?」
「要らない」
「前までは、可愛くちょーだいって言ってたのになぁ」
「何年前の話だ」
「いや、でも冗談なしで分けてやるぜ?顔色も最高に悪いし」
「じゃあ普通に分けてくれるなら貰っ…んっ!」
本当に最後まで話を聞かない奴である。あたしが話し終わる前に口を塞がれた。
・・・ん〜んん〜っ。
昔は意味もわからず、リョーガに乗せられてお互いにしょっちゅう分け合ってたとはいえ、昔と違って今は色々としんどいです。
だけど、オーラが空っぽ状態の今…抵抗する気力もないし、されるがままなんですけどね。
あたしが女じゃなければ、普通に分けて貰えるのかなぁ…なんて考えながら、細やかな反抗として自分から吸収してやった。
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