・・・ジャミングでノイズが凄い。
通信がまるで使い物にならなくて、仕方がなく通信を切った。周りの状況がわからないが、この際そんなもんどうでもいい。
今は、こいつに集中しなきゃなんないし。
最初の鎌の攻撃で雑魚は半数程度、減らしたけど…状況はちっとも良くならない。
纏わり付いてくる雑魚に構っていると特Sからの重い一撃を貰ってしまい、じり貧だ。
あぁ…もう、本当に面倒臭い。
・・・はぁ。
もう明日、動けなくていいや。ここで死ぬよりマシ。
ゆっくりと目を瞑り、全てのオーラを解放する。
オーラ解放するのも、かなり久し振りだなぁ。
そんな呑気な事を考えながら、鎌で雑魚を切り払い、その勢いのまま鎌を振り投げて、自身も黒禍へと突っ込んだ。
◇◆◇◆◇
・・・・・。
オーラを解放して特Sの黒禍のコアを破壊し、後は雑魚だけだが…どうにもこうにも数が多い。
しかもオーラを解放した反動でほとんど生身なあたしは、もはやボロボロだ。
・・・逃げるか。
さすがにこのレベルの黒禍なら、いくらあいつ等でも殲滅出来るだろうし。
そして、グッと脚に力を入れて走り出そうとした時だった。
あたしを取り囲む様に群がっていた黒禍が半数程、吹き飛んだ。
「これは、さすがに予想外だぜ。無事か?」
「・・・!」
「いきなり、沙羅のオーラの感覚が無くなったから死んだかと思ったぜ」
「見ての通り死に掛けてるよ」
「杏ちゃんが泣きながら心配してた、ぜっ!よっと、もう雑魚だけなら大丈夫そうだな」
「なっ、担ぐな!」
「まともに立ってられないクセに無理すんなって。ほら、帰るぜ」
そこに現れたのは、近々東北支部に帰って来ると噂されていたリョーガだった。
さすがに雑魚だけだったので、リョーガはあたしを担いだまま余裕で全滅させると、帰投ヘリを呼んだ。
あ、通信切ったままだった。
「"リョーガさん!沙羅さんは!?無事なんですか!?"」
「あぁ、無事だぜ。今は、ただの女の子になってるがな」
「余計な事言うな」
「"よ、よかった…急にジャミングで通信繋がらなくて…繋がったと思ったら通信が切れてるし…本当にっ、"」
「杏ちゃん、ごめんね。心配掛けちゃったね」
「"沙羅さんが無事ならっ…それでいいです。すぐに帰投して下さい。医療班も待機させておきます"」
涙声の杏ちゃんに悪い事をしたなぁ…と思いつつ、リョーガに担がれたまま、あたしはゆっくりと重たい瞼を閉じた。
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