04*2 




・・・ジャミングでノイズが凄い。

通信がまるで使い物にならなくて、仕方がなく通信を切った。周りの状況がわからないが、この際そんなもんどうでもいい。

今は、こいつに集中しなきゃなんないし。

最初の鎌の攻撃で雑魚は半数程度、減らしたけど…状況はちっとも良くならない。

纏わり付いてくる雑魚に構っていると特Sからの重い一撃を貰ってしまい、じり貧だ。

あぁ…もう、本当に面倒臭い。


・・・はぁ。
もう明日、動けなくていいや。ここで死ぬよりマシ。

ゆっくりと目を瞑り、全てのオーラを解放する。

オーラ解放するのも、かなり久し振りだなぁ。

そんな呑気な事を考えながら、鎌で雑魚を切り払い、その勢いのまま鎌を振り投げて、自身も黒禍へと突っ込んだ。


◇◆◇◆◇


・・・・・。

オーラを解放して特Sの黒禍のコアを破壊し、後は雑魚だけだが…どうにもこうにも数が多い。

しかもオーラを解放した反動でほとんど生身なあたしは、もはやボロボロだ。

・・・逃げるか。
さすがにこのレベルの黒禍なら、いくらあいつ等でも殲滅出来るだろうし。

そして、グッと脚に力を入れて走り出そうとした時だった。

あたしを取り囲む様に群がっていた黒禍が半数程、吹き飛んだ。



「これは、さすがに予想外だぜ。無事か?」

「・・・!」

「いきなり、沙羅のオーラの感覚が無くなったから死んだかと思ったぜ」

「見ての通り死に掛けてるよ」

「杏ちゃんが泣きながら心配してた、ぜっ!よっと、もう雑魚だけなら大丈夫そうだな」

「なっ、担ぐな!」

「まともに立ってられないクセに無理すんなって。ほら、帰るぜ」



そこに現れたのは、近々東北支部に帰って来ると噂されていたリョーガだった。

さすがに雑魚だけだったので、リョーガはあたしを担いだまま余裕で全滅させると、帰投ヘリを呼んだ。

あ、通信切ったままだった。



「"リョーガさん!沙羅さんは!?無事なんですか!?"」

「あぁ、無事だぜ。今は、ただの女の子になってるがな」

「余計な事言うな」

「"よ、よかった…急にジャミングで通信繋がらなくて…繋がったと思ったら通信が切れてるし…本当にっ、"」

「杏ちゃん、ごめんね。心配掛けちゃったね」

「"沙羅さんが無事ならっ…それでいいです。すぐに帰投して下さい。医療班も待機させておきます"」



涙声の杏ちゃんに悪い事をしたなぁ…と思いつつ、リョーガに担がれたまま、あたしはゆっくりと重たい瞼を閉じた。


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