04*1 




あぁ〜面倒臭い。

東北支部の特務をたった2人だけで、回すとかバカなのかな。

その結果、篤京の古傷が悪化して医療班に出撃を禁止されて絶対安静とかいう事態に発展した。いや、まぁ…篤京はね。あいつ、後先とか考えない殺戮マシーンだからね。

君島がいないから、あたしと一緒に特務をバカみたいにやってたからね。当たり前っちゃあ当たり前なんだよなぁ。

そしてそのお陰で、パートナーなしで特務出撃可のあたしへの負担が、頭おかしいレベルに跳ね上がった訳だが。



「"沙羅さん!500m先に大型黒禍と群の反応が!先程から、連日の疲れが見えてますし、一度帰投を…!"」

「はぁっ…そいつ何型?」

「"恐らくθ型の特Sかと…。パルス、オーラ共に乱れていますし…今日は帰投を…"」

「この後、この近辺で任務は?」

「"数時間後にチームAとBの殲滅任務が入ってますが…"」

「・・・なら帰投は出来ないよ。大丈夫大丈夫。死にはしないから」



篤京が抜けた分の特務をこなし、更に新人の任務に同行をして…正直、久し振りにかなり疲れてる。

人員不足だって言っても、1人でこれだけ1日に特務をこなすのは久し振りだし。寝る暇もなく働かされてる気分だ。

いや、実際あんまり寝てないんだけどさ。

心配する杏ちゃんを安心させる様に出来る限り、息を整えてから大丈夫な事を伝えた。

まぁ、特務時は常に通信は繋いだままだから…無理してるのは息継ぎとかでバレバレだろうけどさ。



「"・・まもなく、黒禍θ現れます。沙羅さん、くれぐれも無理はしないで下さい"」

「りょーかい」

「"帰投ヘリの準備をしておきますので…"」

「いつもありがと」



帰投したら絶対に齋藤に文句言ってやる。ていうか、遠征組を戻せって言おう。こんなんじゃ、マジで死ぬし。

自分でもわかるくらい、オーラが乱れてるし。正直、特Sと戦うのは避けたいけど…チームAとBが任務時にこいつに出会さない保証もない。

だったら、ここで仕留めといた方がいいに決まってる。それにあたしだけなら、まだ動きやすいし。下手に他の奴等を守りながら…とか、今のあたしには無理だ。


ビリビリと特Sから発せられる特有の圧力が伝わって来て、地面に突き刺したままの鎌を引き抜いて構え、指輪の確認をした。

無駄に体力は使えないなぁ。

だけど、θ型が相手じゃ無理してでもスピード勝負しなきゃならないな。この状況で、長期戦になったらあたしがフリだ。

・・・はぁ。

この際、雑魚の攻撃は全て受けてやろう。まずは、なんとしてもあの巨大な黒禍を倒す。

そして間合いに入った瞬間、あたしは鎌を振り投げて地を蹴った。


- 1 -

BACK | NEXT

[ back to top ]