03*2 




◇◆◇◆◇

あぁ…もうだっるいなぁ。

遠くから微かに感じるオーラに乱れを感じて、駆け付けたあたしの目の前にはぶっ倒れてる2人とその2人を守るように立っているボロボロのリーダー。

なーんで、通信飛ばさないかなぁ。

いや、これは飛ばす暇がなかった感じかな。彼の武器、双銃だし。

さすがにβのA級を複数相手は、キツかったか。あの2人、結構食らってるみたいだし。

ったく…あたしが来た事にすら気付かない程、切羽詰まってるみたいだし。さすがに助けるか。



「はーい。ちょっと動かないで、ねっ!!」

「―――っ!!」

「はい、後さーん、にーい、いーち。伏せて」

「は、はい」

「ぜーろ。はい、終わり」

「・・・ありがとうございます」

「じゃ、あんたは周り見てて。そこの2人治すから」



大鎌を投げて雑魚を一掃してから、残りのA級4体を順番に殲滅した。

ふぅ…やっぱり鎌は、距離関係なしで使いやすくていいな。ちょっと持ち運びが面倒だけど、今日は持って来て正解だったな。

そんな事を思いつつ、ぶっ倒れたままの2人に近付き膝を付いた。

うわぁ…こっちの子は腹部かぁ。多分、この子を守ったんだろうね。まぁ、この子も普通に右足殺られてる辺り、逃げずに立ち向かったんだろうね。全く状況判断が出来ない子だね。

これは、気付かない内に周りを殺すタイプだね。


ゆっくりとβの攻撃で細胞が破壊されてる子の腹部に触れながら、オーラを放出し流し込んだ。再生は疲れるから嫌だけど、このままだと死ぬからね。

足だけなら、まだ治癒だけでもいいけどさ。それに、最悪片足でも生きていけるからね。だけど、腹部はマズイ。

そして凄い勢いでオーラが吸われて行くのを感じながら、ついでに隣でぶっ倒れたままの奴の足にも手を当てた。今回は、ついでで再生してやるけど、次はないからな。

ていうか、時間掛かるとまた新しいのが湧いて出て来そうだし。早いとこ終わらせて、こいつ等を帰らせよう。

そして暫くして、オーラの吸い上げが止まりゆっくりと手を離し、オペレーターに通信を繋げた。



「もしもし?あたし。帰投準備よろしく」

「"了解しました。沙羅さんも帰投なさいますか?"」

「いや、あたしはいい。細胞破壊された奴が2人いたけど、再生は終わってる。だけど、意識が戻んないから至急ね」

「"了解、医療班に伝えておきます。沙羅さんは引き続き任務遂行という事で?"」

「おん。まだ近くにちらほら、いるっぽいから殲滅してから帰るよ。またその時に連絡する」

「"お気を付けて。この後に特務も有りますし…無理をなさらない様に。では"」



やっぱり、オペレーターは杏ちゃんに限るな。あたしを心配してくれる奴なんで、いないからね。マジで杏ちゃんは天使だな。

とりあえず、帰投待機場所まで向かわないとな。

あぁ…もう面倒臭いなぁ。


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