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あぁ、クソッ!あの駄犬め!
結局、月はさぶと一緒にフランスに行きましたよ!あたしが平等院とどっちが大切?とか普段なら絶対に言わないセリフまで言ったのに!
駄犬が、平等院さんに沙羅に言われたから日本残るなんて言うたら殺されますよ!?とか言うから!
お前等にとって平等院ってなんなんだよ!あの暴君どんだけだよ!
その結果、マジであたしが新人の世話をする事になった。篤京は、絶対に面倒とかみないだろうし。あいつ、ツンデレだけど根本的に頭おかしいからね。
特訓だバァカ!とか言いながら特Sと戦わせたりしそうだからね。新人イビリを通り越して、新人の息の根を止めそうだからね。
「で、不本意ながら君達の世話をする事になった沙羅です。はい、よろしく」
「はいはーい。基本は、いつも通り君達には任務をこなして貰うんだけど〜沙羅ちゃんに同行して貰える感じね」
「あ、別に無理にじゃないから。必要ないと思ったら全然!呼ばないでくれていいからね」
「それと、沙羅ちゃんの任務に同行するのも許可してるよ。もちろん、特Sは無理だからSまでの任務なら同行可能だよ」
「ウッソだろ。聞いてねぇぞ、おい」
ズラァっと並ぶ新人達に正直、もう嫌になって来た。
それで、あの泣きボクロの彼が月が言ってた子で…こっちの眼鏡の子がカズヤが面倒見てた子達で、最後に先日あたしが助けた子達か。
うん、人数多過ぎ。
しかもみんな任務上限は、特Aまでみたいだし。いや、数人を除けばA級までしか無理な感じか。
「何か質問はあるかな?」
「彼女を同行させる意味はあるのか?アーン」
「最近、東北地域の黒禍が異常発生しててね。その上、出現が予測不可能なんだよね」
「特S、S級の黒禍ですよね」
「うん、そうだよ。幸村くん達が襲われた様に突如現れる黒禍が増えて来てるんだよね〜」
「なるほど。あなたの事は、徳川さんから聞いています。あなたと一緒にいれば、問題ないと」
「そうそう!手塚くんが言うように沙羅ちゃんがいれば、大体どうにかなるからみんなも死なない程度に無茶してね!」
斎藤…お前は、マジでいつか殴る。
とりあえず、相変わらず言いたい事だけ言ってまたね〜と手を振りながら去って行った斎藤に殺意を覚えながら、ゆっくりと彼等に向き直り、あたしの部屋の場所と携帯端末の番号を教えた。
もちろん、必要ないなら捨てて構わないと言い加えて。
(あの沙羅さん、少しいいですか?)
(なに?てか、沙羅でいいよ)
(この後の任務に同行して貰いたいんですが)
(内容とメンバーは?)
(D地区のA・B級の殲滅で俺を含めた3人です)
(D地区か…ん、まぁいいよ)
(ありがとうございます)
(スタグレと水多めに持って来るといいよ)
(いくらあんたでも連続は無理だろ?)
(続投なんて日常茶飯事だから)
(なら任務後、また声を掛ける)
(はいはい。じゃ、解散)
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