久し振りにベッドで横になったせいか、反応が遅れた。
あたしの部屋にノックをしないで入室して来るの奴は、限られているので誰だかすぐにわかったが、起きるのも面倒臭い。
「沙羅〜!起きとる?」
「寝てるから帰れ」
「ありゃ。ホンマごっつーしんどそうやなぁ」
「いくら沙羅でも、遠征であんだけ飛び回ってれば疲れもする」
「月、ちゃんとその駄犬に首輪しといてよ。貴重な睡眠時間を奪われる」
あたしが忙しい身なのを知ってるのに、何故この駄犬を止めないんだ。いや、まぁ…いつもの事だから突っ込むだけ無駄だけど。
仕方なくゆっくりと起き上がるとさぶがムカつく程のいい笑顔を向けてきたので、枕をぶん投げてやった。
ん〜…3時間は寝れたみたいだから、まぁ良しとしよう。ていうか、こいつ等は寝なくていいのか。
「元気みたいで安心やわぁ。これなら大丈夫そうですね、月さん!」
「うむ。そもそも沙羅に任せれば問題ない」
「は?なんの話?」
「俺等、遠征で日本を暫く離れんねん。せやから、沙羅に新人の世話頼むわ」
「はぁ!?」
いや、意味がわからない。
そもそも、新人の世話とか今までまともにしてなかったじゃん。とりあえず、実戦を重ねて頑張れよ!みたいな感じで基本的に干渉しない感じだったじゃん。
ていうか、教わる事は全部アカデミーで済ませてるはずだし、世話なんてする必要なくね?しかもそれがなんで、あたしが世話する事になってんだよ。
「エリート様は保護しろってか?ふざけんな」
「まぁまぁ、沙羅が言いたい事はわかるで?俺等かて、アカデミー出やないし」
「つーか、そんな事してたらあたしが死ぬわ」
「ふっ…沙羅ならさして問題ないだろう」
「問題あるわ。あたしだって不死身じゃねぇんだぞ」
「大丈夫やって!近々、先月入ったA地区とB地区の新人も戻って来るみたいやし!」
一体、何が大丈夫なんだ。
つーか、待て。そいつ等も新人なのかよ!いや、でも先月に入ったら世話なんて要らないんじゃねぇの。
ていうか、そいつ等もアカデミー出だろ?だったら、そいつ等に新人の世話させりゃあいいじゃん。ある意味、同期だろ。
そもそも、一気に新人を入れ過ぎだろ。確かに、東北支部は色んな意味で入れ代わり激しいけどさ。
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