必死に考えた結果 (1/4)
ふわぁ〜。ん〜眠い。
盛大な欠伸をして、眠たい目を擦りながら下駄箱で上履きに履き替えているとトントンと肩を叩かれてゆっくりと振り向くとほっぺに指が刺さった。
「おはよーさん。相変わらず、なまえのほっぺはぷにぷにじゃな」
「なまえ、はよ!」
「あ、おはよ〜。そして仁王はうるさいよ」
「なんか眠そうだな。また夜更かしかよぃ?」
「まぁね。昨日、あたしの誕生日だったじゃん?だから友達とねぇ〜」
「そういや、言ってたな。まぁ、誕生日会したって事か」
「まぁ、そんなとこ〜」
あたしのほっぺに指を突き刺して満足気に笑っているのは、クラスメイトの仁王だ。そしてそんなあたし達をスルーして、菓子パンを食べながら上履きに履き替えているのが同じくクラスメイトの丸井だ。
どうして話すようになったかちょっと覚えてないけど、なんだかんだ仲良くしている。
テニス部は、もっとなんていうか…キャーキャー騒がれてて面倒臭いイメージがあったんだけど、仁王と丸井はなんかバカだしアホだし、結構普通な奴だった。
いや、普通でもないけど。
「ケーキ食ったん?ケーキ!」
「そりゃ、食べたけど」
「余ってねぇの?」
「余ってても丸井にあげるケーキはないから」
「ケチかよ!」
「図々しいにも程があるでしょ。ていうか、丸井は色んな子にお菓子貰ってるじゃん」
「それはそれだろぃ」
そして丸井の安定のこの図々しいさである。ていうか、普通に意地汚いよね。しかも人の誕生日ケーキを催促するってどんなだ。
ちなみにあたしは、他の可愛い子達と違って丸井にお菓子を与えたりしない。だってあたしが食べたいし。自分の為に買ったお菓子を丸井にあげるなんて勿体無い事は絶対にしない。まぁ、少し分けるくらいならするけど。
そんな、どうでもいい会話をしながら廊下を歩いていると後ろから丸井と仁王の名前を叫ぶ声が聞こえて、思わず立ち止まり振り返る。
「まーるいせんぱーい!におーせんぱーーい!酷いッスー!!」
「ちょっと無視?」
「あやつ、もう逃げて来たんか」
「柳生と柳に助けて貰ったんじゃね?」
「なんの話?てか、凄い勢いで走って来てるけど…」
「なまえ、後は頼んだ」
「だな!シクヨロ」
「は?」
そして謎の会話をすると仁王と丸井は、あたしを置いて逃げる様に走って行ってしまった。
一体なんなんだ。
相変わらず、あの2人は朝から騒がしい。
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