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ゆっくりと頭を上げるとともだちが優しくて笑う。そしてまたあたしの頭を撫でる。



「もう泣くなって。日吉の奴も悪気はないんだよ。ただちょっと不器用なだけ」

「ともだちは、若の味方するんだ…」

「いや、そうじゃなくて…。ったく…じゃあ言うけどさ、日吉に言うなって言われたから秘密だよ?」

「なにさ…」

「今さっきあいつがどこ行ったかわかる?あいつさ、なまえにラブレター出した奴のところに行ったんだよ」



・・・ん?なんでそうなったの?

意味がわからずともだちに頭を傾げるとはぁ…とため息を吐きながら軽く説明してくれた。

なまえにラブレターを出したのか気に食わなかったんでしょ。だから文句でも言いに言ったんじゃない?と呆れたように言うともだちに更に意味がわからなくなる。

・・・ん、つまり?



「あたしがラブレター貰ったのがそんなにムカついたのか。そしてあいつのどこが良いんだ、お前眼科行けよとか言ってる感じか…」

「ひえー、なんつーネガティプ…。まぁ、日吉のせいだろうけどさ」

「ハハッ…そうかそうか、そんなにあたしが嫌いか!うぅっ…もうやだぁ…」

「あぁ…もう泣くなってば。なまえは、可愛いしいい子だから…な?」



そんなともだちの慰めの言葉も意味もなく、止めどなく溢れる涙にもう笑えてきた。なんで、あたしは若がこんなに好きなんだろうか。

嫌いになりたい。なんて思ってても考えるのは若の事ばっかりで、もう末期かもしれない。

そしてチャイムが鳴り、若が帰って来たらしくともだちの手があたしの頭から離れた。しかしあたしは、机に突っ伏したままだった。


そして授業が始まり、必死に嗚咽を抑えていた。しかし、ガタンッと椅子が動く音がしたと思ったら若の声が教室内に響いた。



「先生、なまえが具合悪いらしいんで保健室に連れています」

「む、みょうじ?そうなのか?」

「えっ…あ、いや…」

「お、おい、泣く程具合悪いならもっと早く言え。日吉、連れていってやれ」

「わかりました。ほら、なまえ行くぞ」



急にあたしの名前を呼ぶ若と先生に顔を上げると保健室に連れていかれる事になっていた。

あたしの手を引いて立たせるとそのまま教室を出ていく。呆気にとられてそのまま付いて来てしまったが、途中で若の手を払い退ける。

その瞬間に若が一瞬、驚いた顔をしたがすぐにあたしとの距離を詰めてきて結果的にあたしは壁に追い詰められた。


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