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翌日、切原くんに改めてお礼を言おうと昼休みに仁王に頼んで昼御飯を一緒に食べさせて貰う事にした。
ちなみにあたしの友人達にも一緒に来るかと聞いたら、面倒臭いと言われて断られた。さすが、テニス部に興味がないだけの事はある。
ちなみに今日は、何故かレギュラーが全員集合してるらしく…正直、誰かに付いて来て欲しかった。
そして相変わらず、猫背でポッケに手を突っ込んで歩いている仁王に付いて行き、屋上へと来た。
「おや、今日はみょうじさんも一緒なんですね」
「うん、急にごめんね。ちょっと切原くんに用事があってさ」
「別になまえなら問題ないじゃろ。みんな知っとるし」
「別に大丈夫なんじゃねぇのか。まぁ、適当に座れよ。赤也とブン太もそろそろ購買から帰って来ると思うぜ」
「まぁ、幸村達には言ってるから安心しんしゃい」
先に来ていた柳生くんと桑原くんと軽く言葉を交わしつつ、適当に座って他のメンバーが来るのを待っていると幸村くんと真田くんと柳くんが現れた。
相変わらず、この3人は迫力があるなぁ。
ていうか、あんまり話した事ないんだけど…本当にあたしはここにいていいのかな。ちょっと不安になってきた。
そんな事を思いながら、幸村くん達に軽く頭を下げながらお邪魔させて貰ってますと言うとニコリと笑われた。しかし、なんだろう。凄い優しい笑顔だったのに謎の恐怖を感じた。
「あーっ!!なまえせんぱい!!」
「あ、切原くん」
「えっ!なんでここにいるんスか!?え?もしかして、一緒に飯食う感じッスか?」
「えっ…うん。昨日、ちゃんとお礼言ってなかったかなって思って。プレゼント、ありがとね」
「えっ…い、いや!いいんスよ!あんなの!!」
購買から帰って来た切原くんがあたしを見付けるなり、嬉しそうに駆け寄って来て元気だなぁ〜なんて思いながら、昨日は適当にお礼を言っちゃったので改めてお礼を言うとぶんぶんと購買の袋を持った手を振った。
理由は、よくわからないけど…切原くんがくれたプレゼントの牛乳もココアも蜂蜜も運よくあたしが好きな物だったから余計にお礼を言わなきゃと思った訳だ。
「え?お前、マジであれやったのかよぃ!?有り得ねぇ!!」
「なっ…だって、先輩達がそれがいいって言ったんじゃないッスか!」
「ちなみになまえ、確認なんじゃが…赤也になに貰ったんじゃ?」
「牛乳とココアの粉と蜂蜜」
そして何故か爆笑し始める丸井と仁王にぷるぷると震えながら怒り出す切原くんに訳がわからない。
ていうか、あたしからしたら丸井と仁王のプレゼントより切原くんからのプレゼントの方が普通に嬉しかったんだけど。
そしてそんな3人をよそに柳くんが薄く笑いながら、事情を話してくれた。
※三強の説明なう
(ふふ、元は仁王と丸井が悪いんだけどね)
(みょうじがいつも寝不足だと聞いたらしくてな)
(まぁ、寝付きはよくないかな)
(それで、俺にいい物はないかと聞いてきてな)
(ちなみに予算は1000円以内だったな)
(アレでも赤也なりに真剣に考えたプレゼントなのでな)
(普通に嬉しかったけどね)
(ふふ、これからも仲良くしてやってね)
(え?うん…まぁそれなりに?)
(赤也、みょうじさんに懐いてるし)
(え、懐いてるの?)
(懐いてるよ。だから、ね?仲良くしてやって)
(えっ、うん…わかった)
(精市、そう余り圧を掛けるな)
(えぇ〜だって、焦れったいんだもん)
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