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あたしが最初にいた部屋とは違って明るい部屋でひーちゃんに説明された事を考えていた。
どうやら、ここはゲームの中らしい。正直、最初は信じられなかったけど…目の前で消えた赤也とひーちゃんに信じるしかなかった。
しかもなんかあたしは、1Pで主人公だからゲームをクリアするまで出れないっぽいとの事。実際、ひーちゃん達が触れたら消えた水晶みたいなのに触れてもあたしは、出られなかったからね。
そんな事を考えていると凄い勢いで足音が近付いて来て、部屋のドアが開いて誰かが飛び込んで来た。
「わ、わかちゃん!!」
「っ、ハァハァ…無事だったみたいで何よりです」
「えっ、ちょ…わかちゃんケガしてる!変な怪物にやられたの!?」
「…まぁ、そんなところです。それより、財前と切原はどうしたんですか?」
「あの水晶に触れたら消えた」
「…早速試したのか。ちなみに璃亜さんは触れたんですか?」
「うん。でもなんも起こらなかったよ」
部屋に飛び込んで来たのは、息を切らせたわかちゃんだった。しかもケガしてるし。ひーちゃんに説明されて知ったんだけど…あたし達を逃がす為に囮になってたみたいだし。
探しに行きたかったけどひーちゃんにこの部屋から絶対に出るなって言われてたから…行けなかったんだよね。でもケガしてるけど戻って来てくれてよかった。
そしてわかちゃんが帰って来たら伝えて欲しいと言われていた事をわかちゃんに話した。
その時に何もなくてわかちゃんの怪我を手当てをする事が出来なくて、もどかしかった。
「状況はわかりました。正直、璃亜さんには早めにこのゲームから出て欲しかったんですが…まぁ無理みたいですね」
「そうみたいだね。それに次のミッション?に人数が足らないって…これ以上、みんなを巻き込みたくないのに」
「巻き込むもなにも…璃亜さんもこんな訳のわからない事に巻き込まれた被害者ですから。とりあえず、俺も試したい事があるんで待ってて下さい」
「わかちゃんも戻るの?」
「すぐに戻って来るんでそんな顔しないで下さい。それにペア分けはきっとプレイヤーにパートナーが付く感じだと思うので俺が1Pのパートナーになって来ます。一番、危ないのは主人公の璃亜さんなので」
「ん、わかった」
「なので、部屋からは絶対に出ないで下さい」
わかちゃんの言葉に素直に頷くとじゃあ待ってて下さいとあたしの頭を撫でると不思議な水晶に触れてわかちゃんは姿を消した。