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04 (4/5)
そしてゆっくりと千石くんがあたしに近付いてくる。
無駄だとわかっていても必死に腕を動かしてロープを解こうとするが、かなりきつく縛ってあって動かす度に手首が痛んだ。
「大丈夫だよ。痛くしないから」
「・・・っ!く、来んなっ!」
「ん〜、暴れないで欲しいなぁ。後、あんまりうるさいと鬼に見付かるから」
「なっ…ん、んんっ…!」
必死に体を捩って千石くんから逃げようとしたが、あっさり捕まり地面に押し倒され、あたしに上乗りになる。
そしてそのまま口を手で塞がれ、服に手が掛けられる。
ナイフを持っていたのか服が裂ける音が耳に入り、肌が外気に触れ、体がブルッと震えた。
息苦しさでまともに抵抗出来ずにいるとゆっくりと千石くんが顔を上げた。
「うん、やっぱり璃亜ちゃんは可愛いね。印を探す前に食べちゃいたいくらい」
「……っ、うぁっ…触んなっ!!」
「なーにも考えられなくなってからゆっくり印を探すのもいいかもね?」
千石くん、ニコリと笑うと次は首筋を指で撫でながら手慣れた手付きでショートパンツに手を掛ける。
…っ!
どうやら、素直に印を探すつもりはないらしく、悔しさと恥ずかしさにギュッと目を固く閉じる。
しかしその瞬間、けたたましい銃声が響きあたしに覆い被さっていた千石くんが飛び退いた。
「チッ…まさか、邪魔が入るとは思わなかったよ」
「やー、動くんじゃないさー!」
「その声は、比嘉の甲斐くんかな?それと氷帝の日吉くんで…2人か」
「…璃亜さん、大丈夫ですか?」
そしていつの間にかあたしの側には、わかちゃんがいて…千石くんに向かって銃を向けていた。
状況を把握出来ずにわかちゃんを見上げると悲しそうな顔をしてあたしとあたしのリュックを担ぐと背後にいたらしい裕次郎が飛び出して来て、肩から血を流している千石くんに向かって銃を発砲する。
しかし、千石くんも発砲して来たらしく銃声が激しくなる。
「甲斐さん、深追いは不要です!」
「…"
奇襲によりクイーンが奪われた。至急、近場の奴は加勢しろ
"」
「日吉って言ったな?やーは、璃亜を連れて逃げるさー!くぬひゃーは、わんに任せれ」
「…ダメです。甲斐さんも逃げるんです。なんなら…俺が残ります」
段々と状況がわかって来たあたしは、わかちゃんと裕次郎が助けてくれたのだと気付いた。
氷帝:待機小屋
(跡部!探知機に反応が!)
(チッ、鬼か!?)
(でも一直線にこっちに向かって…跡部!?)
(…!?ジロー!!)
(っ!跡部!璃亜ちゃんが!璃亜ちゃんが!)
(ジロー落ち着け!何があった?)
(千石に襲われて…璃亜ちゃんに逃げてって言われて…俺、うぅっ…ごめん)
(・・・・・)
(…ジロー手当てするよ)
(…場所は、どこだかわかるか?)
(正確にはわからないけど…H−8辺り)
(…わかった。萩之介、お前はジローといろ)
(ちょっと跡部!?)
(アーン?すぐ戻るから安心しろ)
※支給武器、所持武器、生存者等
ネタバレがある可能性があるので
閲覧にご注意下さい。→
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