そして時間は掛かったが無事に集合場所の小屋に着いた。
しかし、そこで目にしたのは青い顔をしたブンちゃんと赤也…そして左肩から血を流している柳とそれを手当てしている幸村じゃった。
「参謀っ…おまん、それ…」
「…あぁ、運悪く鬼に会ってな。室町に助けられた」
「助けられたって…」
「…あぁ、室町が鬼を殺した」
「お、俺っ…死にたくないッス…」
「…っんなの、みんなそうだろいっ…!」
今にも泣き出しそうな赤也とブンちゃん。少なからずここに来る前になにかあった様子じゃった。
それにしても…鬼も人間だ。それを殺すのか…自分が生きる為には殺すしかないんか?
10日間逃げ切ればええなんて、言っとったが…そんなん簡単にいく訳ないのはわかっとる…
じゃが…
出来る事なら殺したくない。
「うむ…後は、弦一郎、柳生、ジャッカルか。無事にここに来てくれればいいのだが…」
「早いところ、璃亜と羽川を探しに行きたいからね。丸井と赤也はもう一度テキストを読んできちんと今の状況を理解するんだ」
「は、はいッス…」
「…ん、わかったぜい」
「なら、俺と仁王で外を警戒していよう。ここが安全という保証はないからな」
「いや、参謀は怪我しとるじゃろ?俺は、1人でも大丈夫じゃき」
なんて未だに怖がっているブンちゃんと赤也を不安がらせない為に強がっては、見るが…正直、俺だって怖い。
しかしそれを知ってか知らずか、参謀はリュックからなにか機械の様な物を取り出すと大丈夫だと言わんばかりに頷いた。
「俺の武器は、探知機みたいでな。これである程度、なにかが近くに来たらわかる。だから、俺も行こう。構わないだろう?精市」
「…武器の確認は全員揃ってからの予定だったけど、それなら仕方ない。なにかあればすぐ言いに来なよ」
「あぁ。では、仁王行くぞ」
「…ん、そうじゃな」
…何かが変じゃ。
探知機を弄りながらゆっくりと小屋から出る参謀。
いつもの参謀ならこんな何も考えなしに小屋から出るだろうか。確かに、警戒はした方がいいが…探知機があるなら別に小屋の中でも問題はないんじゃなかろうか。
そんな事を考えながら小屋に寄り掛かりながら探知機を見つめている参謀の様子を見ていた。