でも、あたしはこのキヲク探しを辞める方法を教えて貰った。きっと、それはこの2人にも適応されるはずだ。
キヲク探しをさせられる人が決まっていないなら…辞める方法は何個もないはずだし。
あたしは、銀鬼にみんながこのキヲク探しから逃れられる方法を教えて貰ったけど…それが立海メンバーだけとは言ってなかったもんね。
「わかちゃん…ひーちゃん…お願いがあるんだけど」
「聞きませんよ」
「聞かへんよ」
「えっ…なんで?てか、まだ何も言ってないんだけど」
「どうせ、キヲク探しを辞めろとか言うんやろ?方法は知らんけど、途中参加が出来るんやから途中で抜けれるやろ?」
「だからって抜けませんけどね」
「そ、それはっ…2人は、まだ鬼に会ってないから…そんな事が言えるんだよ!何回も死ぬんだよ?殺されちゃうんだよ?」
「だからといって、そこで諦めたら璃亜さんはいなくなっちゃうんですよ。だったら何度殺され様と諦められませんね」
「キヲク探し中に死んでも、実際は生きとるみたいやし。まぁ、キヲク探し中やからって死ぬんは嫌やけど璃亜さんの事忘れるんはもっと嫌って事ッスわ」
だから、辞めさせるとか考えても無駄やで?と怒った様な顔をしているひーちゃんがあたしのオデコにデコピンをした。
みんながキヲク探しを諦めてキヲク探しをやめて、キヲクの主であるあたしがキヲクの奪還を諦めればキヲク探しは終わる。
そして、あたしの記憶は銀鬼に食われ…あたしの存在は消える。つまり、あたしという人間がいたという事実さえ消える…らしい。
正直、あたしという人間がいたという事実が消えるのは悲しい。だけど、あたしがいた事さえみんなは覚えてない訳だから…みんなが辛い思いをする事はない。
だから、あたし1人の存在でこんな悪夢からみんなを救えるならって思ったのに。それに呪いを掛けられたのはあたしだ。
「それで諦める気はないですが、キヲク探しを辞める方法について聞いていいですか?」
「そもそも、なんで璃亜さんはそんなん知っとるんです?」
「えっ、あぁ…うん。なんか…死んだ後?に気付いたら放送室にいたんだけど、」
とりあえず、話しちゃダメだとは言われてなかったので…わかちゃんとひーちゃんに放送室であった事を話した。
あたしよりも冷静な2人になんだか、あたしも少し落ち着いて来て…よく考えたら何も知らなかった訳じゃないにしても、なんでこの2人はここまで冷静でいられるんだろうと思った。