そして、財前と日吉に璃亜が俺等以外の人間に忘れられている事…音信不通で璃亜の存在を確認出来ていない事を話した。
「"つまり、璃亜さんは夢の中にはいたんですね?"」
「…あぁ」
「"…そう、ですか。なら、キヲク鬼の呪いで間違いないと思います"」
「キヲク鬼?」
「"人のキヲクを食らう鬼です。まぁ、詳しくは知らないんですが…その鬼に璃亜さんはキヲクを奪われて、幸村さん達もキヲク探しをさせられているんだと思います"」
「"せやけど、俺等は璃亜さんの事を覚えとるやんか。奪われたんやったら覚えてへんのちゃう?"」
「"だから、詳しくは知らないと言っただろ。だけど、この話を聞いた俺等も次のキヲク探しに参加させられる"」
「"はぁ!?"」
日吉は、キヲク鬼とキヲク探しについて知っている事を全て話してくれたが…正直、頭が付いていかない。
それに俺が財前と日吉に話をしてしまったせいで、2人もあの地獄の様な夢に引きずり込んでしまったらしい。
そして日吉が"このサイトに詳しく載ってます"とLINEグループにURLを貼ってくれた。
「ちょっと待てよ!でもよ、なんで日吉と財前まで夢を見る事になんだよ?」
「"俺に聞くな。そもそも、そのサイトの話が嘘か本当かもわからないからな"」
「"なぁ、幸村さんや切原は夢の中で死んだんやろ?せやけど、実際は生きとる。せやったら、璃亜さんはどうなったん?"」
「・・・すまない。それは、俺等の方が聞きたいくらいなんだ」
「"とりあえず、もし俺と財前がその夢に出て来たら間違いなくキヲク鬼の呪いです"」
「璃亜せんぱい…大丈夫だよな?」
「"・・・今は、なんとも言えないが。夢の中…キヲク探しにはいるだろうな"」
結局、日吉から色々と話を聞けたけど…この状況をどうにかする事は今の段階では出来ないという事がわかった。
それどころか、わからない事が増えていくばかりでどうしていいかわからない。
だけど、日吉の話によるとキヲク鬼の呪いに掛かった者を覚えている人にこの話をしてしまった場合、その者もキヲク探しに強制参加させられる…という事だったので、この事は他言無用という事にして貰った。
まだ状況が余りわからないのに、色々な人を巻き込む訳にはいかないからね。
そしてこの事をみんなに説明してから、学校を抜け出して璃亜の部屋へ訪ねてみたが…やはり璃亜は出て来なかった。
※仁王宅
(つまり、どうすりゃいい訳?)
(まだ確信はないが、キヲク探しというのをするしかないんじゃないか)
(あの化け物と戦えって事っスよね?)
(戦うかどうかはわからないよ)
(…戦って勝てる相手ではない気がしますが)
(まぁ…確かに、な)
(皆は黒い化け物に殺られたのか?)
(…俺とブン太と楠木はそうだと思うぜ)
(俺と赤也は赤い化け物だったよ)
(私と仁王くんも赤い化け物でした…)
(俺は、青い化け物だったな)
(うむ…化け物にも種類があるらしいな)
(化け物には変わりないがのぅ)