◆◇◆◇◆
あたしにとって、暗殺なんていとも簡単で…別だ何も感じないのかは忍だからなのか、それとも…
血濡れの小刀を見つめながら、フッとそんな事を考えた。
あたしは、佐助やかすが達とは違う。あたしには、命を懸けて守りたい人なんていない。主は、いるけど…ただそれだけ。
そもそも、三成に雇われたって感じじゃないし。あたしが勝手にそうさせただけ。
三成が死ねば、また違う主を探せば済むし。あたしは、別にどうにだってなる。
いつか、あたしを殺してくれる可能性がある…それがあたしの主になる条件だから。
だから、あたしと三成は主従関係なんて形だけの飾りに過ぎない。
そんな事を思いながら、既に事切れた今回の獲物を一瞥し、その場を去った。
◆◇◆◇◆
今日も特に問題はなかったし、いつも通り半兵衛に報告をしてすぐに部屋を去ろうとした。
だけど、半兵衛がそれを止める様にあたしの腕を掴んだ。
「・・・なに?」
「少し話がしたいんだ。駄目かい?」
「それは命令?」
「・・・鬼結。何かあったのかい?」
「どうして?」
「鬼結は、本当なら僕の忍じゃないだろ。だけど、僕にそんな態度を取った事は今までなかったからね」
「そうかな」
確かに、半兵衛に命令された事は基本的に素直に応じてた。それどころか、一緒にお茶を飲もうとか散歩に行きたいとか…、そんな些細な事でも断った事はない。
半兵衛は、ちゃんと忍としてあたしを見ているから楽だったはずなのに…いつからか、半兵衛が任務以外でもあたしを呼びつける様になった。
あたしは、ただの忍のはずなのに。
命令だけすればいい。
仲間なんてもんじゃない。
忍は、ただの道具だ。
「
- 4 -
BACK | NEXT
TOP