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可愛い彼女 (1/3)


結局、なまえとちゃんと付き合ったってアキラに報告したのは、あの日の夜だった。

それで、だろうなっ!てか、なまえにも言われた…ってなんか泣きそうな声で言ってたけど、なんだかんだでなまえの事頼むな…なんて言ってたから素直にうんって答えた。

その後、しつこく経緯を聞かれたけど面倒だから秘密とだけ言っといた。


―――
――――
―――――


そして遂に今日は全国大会なんだけど…なまえが見に来るって譲らなくて…見に来るのを許可したのはいいけど…連絡が付かない。

もうそろそろ着く!待ってて!とメールが来たのは随分前で…電話しても電源切れてるしで、アキラと一緒になまえを探してる。

だから来ないで欲しかったのに…ていうか、結局は深司とアキラの応援したい!って言われて俺等が折れたのが悪いんだけどね。

方向音痴な上に連絡取れないとか本当に勘弁して欲しい…。


そんな事を考えながらなまえを探していると不意に携帯が震えだして、急いで確認するとそこには見知ったヤツからの着信だった。



「…もしもし?今、忙しいんだけど」

「"せやろな。今、走り回っとるん?"」

「……用ないなら切るけど」

「"さっきそこで、みょうじなまえっちゅー可愛い子ゲットしたんやけど"」

「…どこにいるの?」

「"ん、3番コート前の休憩所付近やで。切原に絡まれとるからはよ来た方がええで"」

「………わかった」



電話を切って、とりあえずアキラになまえを見付けたとだけメールをしてから、すぐに財前に言われた場所に向かうと立海と四天宝寺メンバーの中にあからさまに浮いてるなまえの姿が見えて、自然と走る速度が上がる。

ていうか、なんで…よりによってこの人達に捕まってるわけ。いや、見付けてくれたのは有り難いけど。

そして無駄に距離が近い切原にイラッとしつつ、立海と四天宝寺の輪に突っ込んでなまえの腕を引いた。



「っ、ハァ…本当になにしてんの」

「し、深司っ…!」

「ちょ、来んの早すぎやろ」

「お、伊武くんが彼氏っちゅーんはホンマみたいやな」

「ふふ、そんなに怖い顔しないであげて。彼女トイレで携帯壊しちゃったらしくて連絡出来なかったんだって」



あぁ…もうバカだなぁ。

幸村さんの話によれば、キョロキョロと挙動不審ななまえを見付けて一緒にいた真田さんと声を掛けたら不動峰の待機場教えて下さいって言われて、道を教えてたら柳さんと切原と四天宝寺のメンバーが来て…って事らしい。

それで切原と財前がなまえって気付いて…俺に連絡したって事ね。


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