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切られた電話 (1/4)


ハァ…疲れた。

夏休みに入って間もなくして…急遽決まった合同合宿は、いつもの練習の何倍もしんどくて大変だった。それに無駄に1週間とか長いし。

そして無駄に夕飯を食べて、お風呂を済ませて部屋でボーッとしていると俺のスマホが鳴り始めて画面を見れば、見慣れたなまえの名前が表示されていて部屋から出ながら通話をタッチした。



「もしもし」

「"…今、大丈夫?"」

「別に大丈夫だけど。どうしたの、寝るにしては随分と早いけど」

「"…ん、合宿忙しいみたいだから電話控えるねって言いたかっただけ"」

「別に大丈夫だけど」

「"アキラがメールでメチャクチャしんどくてヤバい!って言ってたよ?"」



なんでアキラは、こう…余計な事はすぐに連絡するかな。いや、確かにしんどいけど…なまえに無駄に気使わせたくないのに。

それでもなく1週間まともに顔会わせないのに…電話までしなくなったらなまえが1人でいる時間がまた増えるじゃないか。

ていうか、だから朝から全然メールが来なかったのか…いつもならおはよーってメール来るのに。

まぁ、それはそうと…相変わらず、アキラ中心なのが腹立つよなぁ…。



「俺は、アキラとは違うから別に大丈夫だけど。なまえは、電話したくないんだ?」

「"そ、そうじゃなくて!邪魔したくないって言ったじゃん"」

「別に練習中に電話して来てる訳じゃないし、俺は邪魔なんて言ってない」

「"…そうだけど。アキラになかなかメール返せないって言われたから…"」

「…だから俺は、アキラと違うって言ってるっ…」

「お、伊武ー!なにしてんだ?」
「どう見ても電話中だろ」



不意に名前を呼ばれてゆっくりと振り向くと切原と日吉がこちらに向かって歩いて来ていた。そして日吉の言葉に切原があ、マジで!みたいな顔をするとわりっ!と手を合わせていた。

とりあえず、特に用もないみたいだし…なまえとの通話を再開しようとしたんだけど、スマホがうんともすんとも言わなくて耳から離してスマホを見るとトップ画面に戻っていた。

そしてそのタイミングでなまえから邪魔してごめんね!お友達と仲良くね!とメールが入った。

……………。

すぐになまえに電話を掛け直すが電源を切ってるらしく、なまえに繋がる事はなかった。



「…あー、伊武?」

「…なに」

「もしかして、俺…邪魔した?」

「…………」

「そ、そんな睨むなよ!悪気はなかったんだよ!ただなんかすげぇ嬉しそうな顔してたから…なにしてんのかなーって思って」



…それなら放って置いてほしかったんだけど。


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