意外に寂しがりや (1/4)
んん〜眠い〜。
お昼を食べてお腹がいっぱいになったせいで最高に眠い。先生の声がもはや子守唄のようである。
そしてどうにもこうにも睡魔に勝てず、机に突っ伏してそのまま睡眠学習に入った。
―――
――――
―――――
どのくらい寝てたのか不意に頭を叩かれてゆっくりと顔を上げると深司が心底呆れたという顔をしてあたしを見ていた。
「もう授業終わったけど」
「…ん〜まじで?」
「…俺は、もう部活行くけど」
「あれ…アキラは?」
「さっき委員会に行ったけど」
…寝てるあたしを置いて委員会に行くとか酷い。アキラのばか。地味にショックなんですけど…!いつもなら休み時間に起こしてくれるのに。
なんで今日は、ずっと寝かしっぱなしなんだよー!あたしより委員会が大事か!うわーん!!
なんかショックで本気で泣きたくなってきた。もういい…さっさと帰ろう。
「ちなみにアキラが起こしに来たけど、起きなかったのなまえだからね」
「…………」
「じゃあ俺行くけど」
「…やだぁ〜!アキラ〜!あたし寂しいよ〜!1人で帰るのやだぁ!」
「…ハァ、だからアキラは委員会だって」
「…深司は?」
「…部活行くって言ったじゃん」
…うわぁぁん!!
うぅ、いいよいいよーだ!!
あたしは1人で帰るよ!
最近アキラは部活で帰りが遅いし、美奈姉も辰兄ちゃんも仕事が忙しくて帰りが遅くて…1人で家にいる時間が長くてかなり寂しい。
でもそんな小さい子供みたいな理由でワガママ言いたくないけど、本当にあの大きい家に1人でいるのは辛い。
「…なら部活に来れば」
「え?」
「…1人で帰るのが嫌なら部活でも見て待ってれば」
「いいの?」
「…別に邪魔する訳じゃないし、誰も文句言わないでしょ」
「っ!じゃあ行く!!」
「…はいはい、わかったから早くして。部活に遅れる」
ハァ…と溜め息を吐きながらもあたしを待っててくれる深司に急いで帰りの準備をして立ち上がると、ほら行くよ…と足早に教室から出て行く深司に素直に付いて行った。
そして部室らしき部屋に着くとちょっと待っててと言われて、コクりと頷きその場に座って待っていると暫くしてジャージ姿の深司が出て来た。
なに座ってんの?と言わんばかりにあたしの手を引いて立たせるとそのまま、あたしの手を引いてテニスコートの近くにあるベンチに座らせるとボール飛んでくるかもしれないから…とだけ言ってコートに入って行った。
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