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印象は最悪 (1/4)


春休みになるちょっと前。

あたしは、親からとんでもない事を言われた。

"春からイギリス行くから!"



「ハァッ!?イギリス!?なんで!?てか、ハァッ!?」

「私の仕事でね?大丈夫!なまえならすぐ慣れるわよ!」

「なにが大丈夫なの!?え、やだよ?あたしは、日本に残るからね!」

「なんでよ!イギリスよイギリス!いいところじゃない!」

「嫌だったら嫌だ!てか、母さんだけ行けば良いじゃん!」

「なまえは、母さんが寂しさで死んでもいいって言うのね!?」

「父さん連れて行けばいいでしょ!あたしは、嫌だからね!!」



と、こんな感じでデザイナーである母さんの仕事の都合でイギリスに行く事になった。

いや、なってないなってない。あたしは、絶対に行きたくない。だって、あたし英語苦手だし。それに友達とか出来る気がしない。無理、絶対に無理。

しかし、母さんもなかなか譲らない。だが、あたしも譲らない。そんなあたしと母さんを黙ってみていた父さんだったが、ゆっくりと溜め息を吐いた。



「そんなに嫌か?」

「うん、嫌だし無理」

「まぁっ!!行く前から無理とはなんですか!」

「母さんマジしつこい!あたしがイギリスでいじめられたらどうすんだし!」

「あんたなら返り討ちにするでしょ!」

「クッソ!否定出来ねぇ!だけど、嫌だし!」

「うーん…さすがになまえを一人暮らしさせるのはなぁ。仕方ない…あいつに頼んでみるか」



あたしと母さんがギャーギャーと騒いでいると父さんが携帯を取り出してどこかに電話をし始める。

それに気付いたあたしと母さんは、イッー!と睨み合いながらも静かにする。

と言うか、父さんはこんな時に誰に電話してるんだ。



「あ、もしもし?おぉ、アキラか?美奈子はいるか?」

「なに、アキラ!?」

「あぁ、美奈子か?俺だ。ちょっと頼みがあるんだが、なまえを預かってくれないか?」

「あぁ、その手があったわね!確かに美奈子になら頼めるわね!」

「え、話が見えないんだけど!?」



そしてなんだかよくわからない内に話が進んでいき、イギリスに行くのをあたしが嫌がっているが一人暮らしをさせるのは心配だのなんだの言ってたが、最終的になにやら決まったらしく父さんが電話を切った。


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