×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

最後の部活動 (1/4)


なんか嫌な予感がするなぁ〜とは思った。

というか、廃部寸前で活動停止中なのに部員全員が呼ばれる時点でわかりきってた事だけど。

そして教室に戻るとともだちがあたしに気付いてポッキーを食べてる手を止めた。



「どうだったの?」

「本格的廃部おめでとうって感じ?」

「あぁ…やっぱり?」

「あのプールは、天下のテニス部様が練習に有り難く使うってさ」

「それさ…テニス部がプール練したいって言い出したから、水泳部廃部にしてテニス部に場所提供しただけなんじゃない?」

「さぁ、知らない。でも練習は活動停止でしてなかったからアレだけど…テニス部専用になるともう夜も泳げないなぁ」



…あーあ。
廃部になるのは、なんとなくわかってたけど…まさかあのプールがテニス部専用になるなんてなぁ。

テニス部専用になったらセキュリティとか改良されて忍び込めなくなるだろうし。むしろ、テニス部の部室は鍵じゃないらしいからなぁー。天下のテニス部はやっぱり格が違うよね。

ちなみに出来れば早くプール練をしたいとの事で、今日の放課後には荷物やらなんやらの整理をするらしい。まぁ、水泳部の備品置きっぱなしだしね。

はぁ…そうなると泳ぐ為には近くのスイミングスクールのプールに行くしかないし、バイトも探そうかなぁ。



「この際だから陸上部入る?」

「あたしが足遅いの知ってるクセに」

「水の中なら速いのに…勿体無いなぁ」

「もう大会も出れないし…好きに泳げないけどねー。まぁ、元から人数の関係で大会もあんまり出てないけど」

「みーんな、テニス部に夢中だからね。テニス部の部員を少し水泳部に分けろよ的な」



そんな文句を言いながらポッキーを食べるのを再開するともだちは陸上部で、しかも短距離走の2年エースだったりする。

ちなみにそんな陸上部も結構な人数が所属している。というか、水泳部が極端に人気がないだけっていうか…今日付けで廃部になったけど部員4人しかいないからね。3年の先輩3人とあたし1人だけだ。

あ、先輩に後でプールの鍵返さなきゃ。呼び出された時に鍵は?って聞かれて軽く誤魔化してくれたけど、あたしが持ってたらいけない物だからね。

はぁ…本当に泳げなくなるのかぁ。



「マジでショック受けてるねぇ…」

「…泳げないってわかると余計にね」

「それはそうと…」

「え、なに?ちょ、近い…ポッキー臭いんだけど」

「日吉との密会もなくなる訳じゃん?そこんとこどうなの?」



いや、日吉くんとはそんなんじゃないってわかってて密会とか言ってくるともだちに少し呆れつつも、別にどうもないよとだけ答えた。


prev|next

[戻る]