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06*キミとかくれんぼ(1/3)


あの日、みょうじを家まで送ったまではよかった。

本当なら、すぐに学校に戻って部活に参加する予定だった。

じゃが…



「つまり、みょうじの祖母に捕まったと」

「ふふっ、まさか部活が終わるギリギリに帰って来るとはね」

「なかなか、学校に戻るって言い出せなかったんじゃ…」

「ふふっ。まぁ、一緒に帰って来たら学校に戻るとは思わないよね」

「それで、みょうじの家はどうだったんだ?詳しく聞かせて貰おうか」

「どうって…真田ん家顔負けの立派な日本家屋に住んどった」



参謀と幸村に昨日、部活を大遅刻した理由を問い詰められていた。

まぁ、参謀に話した通り…みょうじが一緒に住んでると言っていた、祖母に引き留められたのが理由じゃ。

みょうじを送って、熱がある事を伝えたら、お礼にとお茶を出された感じじゃ。

もちろん、最初は断ったんじゃが…1杯だけでもいいからって何度も言われたら、断れんじゃろ。



「うむ、みょうじは家ではどんな様子だったんだ?」

「いや、特に普段と変わらん様子じゃったけど。まぁ、熱があってボーッとはしとったが」

「ははっ、家ではしっかりしてるのかと思ったけど、そうでもないんだ」

「普通に祖母もみょうじに似とったぜよ」

「ふっ…なるほど。それは帰して貰えなさそうだな」



さすがにみょうじ程じゃないが、天然というか…掴み所のない、ふわふわした感じの人じゃったな。

ちなみにみょうじは、今日は休みらしい。まぁ、結構熱が高かったみたいじゃからな。当たり前といえば、当たり前なんじゃが。

それにしても、みょうじが学校に来とらんとわかると、いつも以上に学校がつまらんと感じる。



「それにしても、仁王が女の子の家に行く日が来るなんてねぇ。なんだか、感慨深いよね」

「うむ。普段から女子と話す事さえ殆んどしないからな」

「ふふっ、春だねぇ」

「からかうんじゃなか」

「ふふっ、まさか。みょうじさんは、変わってるけど良い子だから俺達は応援してるよ」

「あぁ。データで困ったらいつでも言え」

「ちょ、参謀まで」



確かに、以前の俺からしたらかなりの成長だとは思うが…それはみょうじが相手だからで、他の女子とは今まで通りじゃ。

それにしてもこの2人…楽しみ過ぎじゃろ。まぁ、別に嫌な気はしないが。

とりあえず、俺としてはこのままの関係で満足しとるんじゃが…まぁ、もちろん仲良くなれるならしたいがな。


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