05*キミとかくれんぼ(1/4)
あの日からみょうじがたまに教室に来てくれる様になった上に廊下等でも姿を見付ける様になった。
じゃが、何故か昨日からみょうじを見ていない。教室には来んし、廊下でも全く会わんどころか姿を見てすらいない。
「…二日連続でみょうじが来んのじゃが。休みなんじゃろうか」
「いや、さっき普通に廊下にいたぜぃ?」
「なんじゃと!?」
「今日は、ぼけ〜っとしながらふらふら歩ってたからどっかに寝に行ったんじゃね?」
「なんで来てくれんのじゃろうか」
「ただの気紛れじゃねぇの?むしろ、今までよくお前んとこに来てたなぁって思うわ」
確かに、みょうじは自由気ままで気紛れだったんかもしれんが…なんで急に来なくなったんじゃろうか。
しかも、今日に限って体育はないしのぅ。じゃから、みょうじ本人に聞きに行くとしてもまずみょうじを見付なきゃならん訳で…正直、見付けられる気がせんし。
それにしてもブンちゃんは、みょうじの事をなんでそんなに知っとるんじゃ。名前も覚えて貰っとらんのに、思った以上にみょうじについて知っとる気がする。
「ブンちゃんは、みょうじとどんな仲なんじゃ」
「は?いやいや、俺とみょうじの間になにかあると思ってんならマジで勘違いだかんな。前に幸村くんに頼まれて、ちょっと話したくらいだっつーの」
「ほーん」
「…お前信じてねぇな?そもそも、あいつは俺の名前すら覚えてねぇんだぞ。仲が良いとか以前の問題だろぃ」
「ん〜」
「お前、本当に面倒くせぇな!気になるならみょうじんとこ行って来いよ!」
そんな簡単に行けるなら、とっくに行っとる。ブンちゃんは、みょうじを探すのがどんなに難しいか知らんからそんな簡単に言えるんじゃ。
とりあえず、見付かるかどうかはわからんが…行くだけ行ってみるぜよ。
何故か、ブンちゃんが早く行けと言わんばかりにシッシッと手を振っとるし。
「まぁ、見付かんねぇだろうけどがんばれー」
「もし、みょうじを見掛けたら連絡くんしゃい」
「おー」
「見事、みょうじを見付けてくるぜよ」
「かくれんぼかよぃ」
「かくれんぼは得意じゃ」
「みょうじには負けるだろうけどなー。ま、がんばれよ」
そしてブンちゃんの心がこもってない応援を受けながら、みょうじを見付けに教室を出た。
それにしても、本当にかくれんぼみたいじゃな。まぁ、みょうじにその気はないんじゃろうけど、本当に隠れるのが上手いからのぅ。
とりあえず、最初は心当たりがある場所から攻めるしかないぜよ。
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