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03*キミとかくれんぼ(1/4)


サボり癖があるみょうじに会うなら、自分もサボれば高確率で会えると思ったが…そんな事はなく、むしろ全く会わん。

俺が思い付くサボり場と言えば…屋上、校舎裏、中庭、それに加えてこの間、みょうじと過ごした渡り廊下くらいじゃ。

じゃが、どこに行ってもみょうじの姿はなく…全く姿を見る事が出来とらん。

・・・なんでじゃ。

幸村や参謀、ましてやブンちゃんが関われるくらいの相手を俺が見付けられんとは。



「ハハッ、見事にかくれんぼしてるね」

「笑い事じゃなか。あやつ、一体どんなスクールライフを送っとるんじゃ」

「みょうじさんって、こっちから会おうとすると何故か会えないんだよね」

「どういう事じゃ」

「なんて言うのかな〜探されてるのがわかってるっていうの?なんか勘が鋭いっていうか。その内、会えるかな〜くらいに思ってる方が何かと会えるんだよね」



本当に野良猫みたいなんだよね〜と眉を下げて笑う幸村に何故か不思議と納得した。

確かに、自由気ままにふらふらしとるし…会いたい時に全く姿を現さん辺りも野良猫っぽいのぅ。

それにしても、いくら野良猫でも何かしら習慣はあるじゃろ。でもまぁ、思い付くのはお昼くらいしかないんじゃが。



「お昼はどうしとるんじゃ」

「お弁当持ってふらふら〜って。たまに教室で女の子の輪に入ってる時もあったかな」

「結局、どこで食べるかは決まっとらんのか」

「ふふっ、そういう事。俺も探し回ったからね」

「今はそうでもないんか」

「委員会で会えるしね。それに本当にたまにだけど、俺に会いに来てくれるし」



ほーん…なるほど。

あの幸村が飽きる訳でもなく、探し回るのを辞めたってのはおかしいとは思ったが、委員会で定期的に会えるんなら納得出来るのぅ。

そういえば、みょうじも花の水くれの時に話すって言っとったし。じゃが、俺は委員会も違えばクラスも違うからどうにもならんな。



「ふふっ、そんな顔しなくても会える方法は教えてあげるよ」

「なら最初から言いんしゃい」

「簡単に教えたらつまんないじゃん。それに俺と蓮二も結構苦労したんだからね」

「参謀でもわからんくらい予想外な動きをするって事か」

「まぁね。でも体育の授業後なら絶対に会えるよ」

「ほぅ…なるほど。そういえば、体育は絶対にサボらんって話じゃったな」

「ふふっ、そう。だから、体育の授業後なら会えるよ。更衣室の近くの自販機で待ってれば確実にね」



絶対に牛乳買いに来るからと思い出し笑いをしながら話す幸村になんとなく、牛乳が好物なんじゃろうなぁ〜とか思った。

ちゅーか、どんだけ予想外な動きをするじゃ。参謀が体育の授業後以外は全く動きがわからんって…もはや、謎過ぎる。

でもまぁ、これで会おうとすればみょうじに会えるって事じゃな。

その後、幸村が情報料はジュースでいいよとか笑顔で言ってきたが…まぁジュースくらいならええか。


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