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02*キミとかくれんぼ(1/4)


ふらふらとした足取りのみょうじの後を付いて行くと、着いたのはまさかの渡り廊下だった。

みょうじは、そこで立ち止まるとポケットからハンカチか何かを取り出すとそれを敷いてその上に座った。そして欠伸をするとコクりコクりと船を漕ぎ出した。

どうやらここで寝るらしい。

そろそろチャイムは鳴るが…こんなところでサボるんか、こやつ。確かに、授業中は渡り廊下を利用する奴はおらんだろうが。


とりあえず、ゆっくりとみょうじに近付こうと足を一歩出すと足音で気付いたのかなんなのか…パッとみょうじが頭を上げた。



「・・・ん?あれ〜?さっきのピエロの人?」

「ピエロじゃないがのぅ」

「・・・ふ〜ん?」



眠いのか、校舎裏で会った時と同じ様にボーッとしたまま俺を見たまま頭を傾げているみょうじにゆっくりと近付くとそれに合わせてボーッとした顔をこちらに向けている。

こやつ、さっきまで校舎裏で寝とったんじゃないんか。どんだけ眠たいんじゃ。

そしてみょうじを見下ろす形で目の前に立つと、俺を見上げるのが疲れたのかゆっくりと頭を下げると目を瞑った。

この状況で寝る気か!



「これ、寝るんじゃなか」

「・・・ん〜?なぁに?」

「隣に座っていいかのぅ?」

「ん〜、ピエロくんはうるさくなさそうだからいいよ〜」

「だから、ピエロじゃなか。俺の名前わからんか?」

「うん、知らな〜い。でもテニス部の人なのはわかるよ〜。幸村くんから聞いてるから」



まぁ、ピエロとか言っとる時点で名前を知っとる訳がないんじゃが。ちゅーか、幸村から何を聞いたら俺がピエロになるんじゃ。

幸村の事じゃから、適当にテニス部のメンバーを説明したんじゃろうが。それを間違って覚えてたってところかのぅ。

そんな事を考えとるとみょうじが眠たそうな目を擦るとへらりと笑った。



「変な人が多いけど良い人ばっかりだって言ってたよ!」

「ほーか」

「さまだくんはうるさいから苦手だけど」

「ぶっ…あぁ、さまだくんな。さっきも怒られとったな」

「ちょっと廊下で居眠りしてただけなのになぁ」

「いや、廊下で寝るのはどうかと思うがの」

「えぇ?でも寝転がってないよ?陽が暖かくて立ったまま、少しうとうとしてただけだもん」



いや、それはそれで問題じゃろ。アレか、そろそろチャイムが鳴るのに突っ立ったままのみょうじに真田が気付いて話し掛けたら、寝てたみたいな感じか。

まぁ、結果的に真田からは無事に逃げて来た上に余裕でサボっとるがな。

とりあえず、さっきまで眠そうだったのに今はパッチリと目を開けとるところを見るとこやつは、かなりの気分屋とみた。


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