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01*キミとかくれんぼ(1/4)


今日も無駄に眠いのぅ。

俺が元から早寝するタイプじゃないのも原因じゃが、朝っぱらから全力で朝練させる幸村と真田にも問題があると思うナリ。

ブンちゃんは食べ物さえあれば、復活するが…俺の場合はそうもいかん。

それに特に今日は授業に出る気になれず、中庭でサボッとったらトテトテと小さな子猫が俺の目の前を横切った。


本当は禁止されとるんじゃが、俺はよく野良猫に餌付けをしとる。じゃが、あの子猫は今まで見た事がないんで…新入りかのぅ?

そして常に携帯しとる煮干しを制服の内ポケットから出して、トテトテと走って行く子猫をゆっくりと追い掛けた。


そして着いたのは、校舎の裏。まぁ、中庭におったりしたら教師等に追い払われてしまうしのぅ。基本的に俺が餌付けしとったのも校舎裏じゃしなぁ。

そんな事を考えながら尚もトテトテと走って行く子猫に付いて行くと、そこはあからさまにおかしかった。


じゃが、子猫はそれが当たり前の様にそこに向かうと何故か嬉しそうにミャアと鳴くと頬を擦り寄せた。


アレじゃ…何度かここでサボった事はあるんじゃが、さすがにレジャーシートを敷いて猫に囲まれながら寝とる奴は見た事がない。

顔は見えんが、制服から覗く脚を見る限り寝ているのか女子生徒みたいじゃな。

そんな事を考えとると足元の枝を踏んでしまい、パキッという小さな音を立てると猫に囲まれて寝ていたであろう人物がゆっくりと起き上がった。


「・・・?んんっ?」


そして寝惚け眼でキョロキョロと周りを見渡すと俺の姿が目に入ったのか、俺を見たままボーッとしとる。

寝起きなのかなんなのかボケ〜としたままの女子生徒に声を掛けようかどうしようかと考えとると、タイミング良いのか悪いのか授業の終了を告げるチャイムがが鳴った。

その音にビクリと女子生徒が反応すると、完全に目を覚ましたのかパチクリと瞬きをするとゆっくりと俺を指差した。



「あっ、アレだ!」

「は?」

「えーと…テニス場のピエロの人だ!」



・・・は?

女子生徒は意味のわからない事を俺に言うと、ゆっくりと自分の周りにいた猫達の頭を撫でてからレジャーシートの上から退かし、手慣れた手付きでレジャーシートを畳みだした。

そして畳んだレジャーシートを抱えるとゆっくり立ち上がり、また俺の方を見るとばいばーいと手を振ると走って行ってしまった。

呆気に取られてそのまま女子生徒の背中を見ていたが、少し走ったところでそいつひ軽く転けとった。


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