14*空に恋した向日葵(1/4)
あの怒涛の1日から一週間が経ち、以前より騒がしい日々を送っている。
「なまえちゃん!次の授業、隣に座ってE〜?」
「うん、いいよ」
「ほな、俺も逆隣に」
「おっしーはダメだC!!」
「忍足くんはダメかな」
「なんでやねん!」
「ん〜、なんとなくかな」
慈郎くんは、移動教室の時にはこうして隣に座っていいか聞いて来る様になって、無断で隣に座ったり腕を引いたりする事は減った。
しかし、じゃあ一緒に行こう!と腕を引かれるので余り変わってない気がするけど、慈郎くんなりにあたしを気に掛けてくれてるので気にしてない。
もちろん、周りからの視線はあるが最近はもう馴れて来ました。それに跡部くんのお陰なのか、嫌がらせも特にないし。
「おっしーはあっち行ってて!」
「最近、俺の扱い酷ない?」
「俺は、なまえちゃんと2人がいいの!おっしーは、邪魔だC〜!」
「ごっつ傷付いたわ。みょうじ、慰めてや」
「わっ、ちょ…なんであたしが」
「あぁっ!?ちょ、ダメだC!おっしーあっち行って!」
そしてあたしと2人でいたいという慈郎くんを毎度からかって楽しんでいる忍足くんは、最近慈郎くんに本気で邪魔者扱いをされてる。
そんな忍足くんがショックを受けている様なフリをしてあたしに寄り掛かると慈郎くんが凄い勢いで忍足くんにタックルをかました。
なんていうか、容赦がない。
「いたっ!」
「なまえちゃん、おっしーなんて置いてもう行こう!」
「え、あっ…うん」
「みょうじまで酷いわぁ」
とかいいつつ、普通に付いてくる忍足くんはさすがだ。そして慈郎くんは、あたしの手を握って上機嫌だ。
そういえば、最近の慈郎くんはあんまり寝ない。もちろん、授業中は前と変わらず睡眠学習なんだけど、休み時間は起きてる事が多い。
というのも、寝てならあたしと話せないとの事。
確かに寝てたら話せないけど、そんなに必死にならなくても話くらいするのに。まぁ、授業が終わってから慈郎くんを起こすのは基本的にあたしなんだけどね。
「なまえちゃんなまえちゃん!」
「ん?」
「お昼も一緒に食べよ!」
「え、あぁ…今日は」
「あっ…もしかして、浅香達と食べる?」
「いや…今日は、若くんに誘われてて」
「むぅ…先越されたぁ!」
そして若くんにお昼を誘われている事を伝えると悔しそうに顔を歪める慈郎くんに少し笑ってしまう。
本当になんでも顔に出るなぁ。
prev|
next