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12*空に恋した向日葵(1/4)


とりあえず、この空気にそろそろ耐えられないんだけど…どうしたらいいんだろうか。

もちろん、目の前の若くんは相変わらず頭を抱えたままである。とっても気まずい。



「むぅ、俺だってなまえちゃんの事好きだC!」

「えっ!?」

「日吉より俺の方が好きだC!」

「おいおい…」

「ちょ、ちょっと待って!色々待って!!」



そしてとんでもない発言と共に慈郎くんが帰って来た。も、もう…本当にやめて下さい。いや、素直に好きって言ってくれるのは嬉しいけどね?今、その発言は控えて欲しい。

正直、今すぐ逃げ出したい。

というか、やっぱり慈郎くんの好きは友達としてなのか恋愛対象としてなのかわからない。

そもそも、恋愛対象としてならこんなにあっさり言えるのだろうか。いや、でも…あの慈郎くんだし…しかもまたなんか言い合いしてるし。えぇ…もう訳わかんなくなってきた。



「だ、大丈夫かよ?」

「む、向日くん…」

「お、おう?」

「…あたし、勘違いしてないよね?」

「あぁ〜あの2人がなまえを好きかって事ならしてねぇんじゃね?」

「そ、そんなはっきり!!!」

「いや、ジローは思いっきり言ってただろ。ちなみに友達としてじゃないとだけ言っとく」



いや、もうそれ答えじゃん。

まぁ、なんつーか…頑張れよと苦笑いを漏らす向日くんに泣きたくなってきた。いや、もう…何をどう頑張ればいいのかわからないんだけど。

とりあえず、相変わらず言い合いを終えたのかなんなのか睨み合いをしている2人に頭を抱える。



「おい、お前等!なまえが困ってんぞ」

「えっ…な、なんで!なまえちゃんどうしたの!?」

「ち、違うの…いや、確かに困ってるけど…」

「なになに!?俺、またなんかした!?」

「いや、落ち着けよ。お前等がそんなだからなまえが困ってんだろ」

「…とりあえず、教室に戻りませんか。一応、事は済んだ訳ですし」



…た、確かに。
別にここにずっといる理由はないし。あたしは慈郎くんと話が出来たし、向日くんと若くんもあたしと慈郎くんの無事を確認出来た訳だし…うん、教室に戻ろう。

そして教室に戻る事になったんだけど、若くんに芥川さんばっかり甘やかさないで下さいよと言われて、結局頭を抱えた。

そうは言われても、嬉しそうにあたしの手を握っている慈郎くんの手を振り払う勇気はないです。

そんなあたしを哀れむ様に見つめる向日くんは、特に助けてくれる事もなく隣を歩いていた。


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