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07*空に恋した向日葵(1/4)


どうしても認めたくなかった。

いつも、困った顔ばっかりで笑ってる顔なんて見た事がなかった。だから、あんなふわふわしたなまえちゃんを見て、凄くモヤモヤした。

しかもその相手がまさかの日吉だなんて絶対に嫌だ。



「なんで、日吉がなまえちゃんと一緒にいたC」

「別に俺が誰とどこにいようと、芥川さんには関係ないじゃないですか」

「っ…!なまえちゃんは、俺のだC!」

「ちょっとちょっと…2人共落ち着いて。一体なにかあったの?」

「だって!日吉がなまえちゃんと一緒にいたんだもん!」

「・・・?えと、よくわからないけど慈郎はこっちにおいで。話聞いてあげるから」



だから、今日は部活が自主練だったから日吉を引き留めてなまえちゃんの事を聞こうとしたのに…

いつもの様に表情も変えずに俺を見下す日吉にムカついて、泣きそうになる。

なんで、なまえちゃんは日吉と一緒にいたの?友達が倒れたから保健室に向かったんじゃなかったの?なのに、なまえちゃんに会えるかなって思って保健室に向かったら、仲良さそうに日吉と話してて…意味わかんないC。

そして、グイッと滝に腕を引かれて日吉から引き離されて、ベンチに座らされた。



「どうしたの?慈郎が泣く程の事を日吉がしたの?」

「うん」

「最近、慈郎が仲良くしてる女の子の事?」

「日吉が…なまえちゃんと一緒にいたC。俺の事、起こしてくれなかった…のに」

「うん?慈郎は、日吉とその子が一緒にいたのが嫌だったの?」

「嫌だ。なまえちゃんと仲良くしていいのは、俺だけだC」



なまえちゃんと一緒にいていいのは俺だけだもん。いつもは、なんかすぐにどうでもよくなっちゃうけど…なまえちゃんは、なんでかそう思わないC。

俺をあんまり甘やかしてくれないし、たまに意味がわからなくてムカつく事もあるけど、それでもなまえちゃんといるのは嫌じゃなかった。

むしろ、不思議と一緒にいるのが好きだった。別に面白い話をしてくれる訳でもないのになんでかなまえちゃんといると嬉しかった。



「そっか。でもその子にはその子の考えとか気持ちがあるんだよ。慈郎が嫌だったみたいに」

「ん…」

「詳しくは知らないけど、慈郎はその子の気持ち考えてあげてる?」

「考えて、ない…と思う。でもっ!」

「その子が誰かと話したいのに慈郎が話さないでって言ったら、その子はどう思うかな。慈郎だって誰かと話したい事があったのにその人と話さないでって言われたら嫌じゃない?」



確かに滝が言ってる事は、間違ってないと思う。俺だって、跡部とかがっくんと話すなとか言われたらムカつくし。なんでそんな事言われなくちゃなんないのって思うもん。

でも…それでもなまえちゃんには俺以外のやつと仲良くして欲しくない。


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