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01*空に恋した向日葵(1/4)


あたしは、氷帝学園幼稚舎からずっと氷帝で過ごしている。これと言って目立つ訳でもなく極々平凡な日々を送っていた。

それは高等部に進学しても変わらなかった。そして高校生活最後の1年。

あたしは、3年生になった。


クラスはF組で友達とは別れてしまった。人数が人数なので今更嘆いたりはしないが、やっぱり寂しい気持ちにはなる。


そして友達と別れてF組に入り、自分の席へ座る。窓際の一番後ろだった。最後の高校生活は静かに過ごせそうだと少しだけ安心する。

廊下側だとなにかと誰かを呼んできてくれだとか言われるし…真ん中だとなにかと居心地が悪いので凄く嬉しい。

そんな事を考えながら、呑気に机に頬杖を付きながら窓の外を眺めていた。


しかし、急にクラスがざわめき自然と窓から視線を外すし、ゆっくりと教室を見渡すとそこには、氷帝学園1有名なテニス部の人達がいた。



「じゃあ忍足、頼んだぞ」

「頼むもなにもジロー寝てるだけやん」

「あーん?移動教室の時は、ちゃんと連れて行けって事だよ」

「そんくらいわかっとるわ。ほな、また」

「あぁ。行くぞ、樺地」

「ウス」



跡部くん、忍足くん、芥川くんに2年生の樺地くんがそこにはいた。中等部の頃から凄い人気で知らない人はいないんじゃないかな…。

まぁ、あたしはまともに話した事はないんだけどね。

なんか近付くの怖いし。それに用もないのに話し掛けるのも変だし。

そんな事を考えていると忍足くんが芥川くんを背負いながら教室に入る。どうやら、あの2人はあたしと同じF組らしい。ちょっと憂鬱な気分になった。


テニス部の人が同じクラスだと凄くクラスがうるさくなるので嫌だった。過去に何度か同じクラスになったがそれはもう…うるさいのなんのって。



「ジロー、ちゃんと座らんと落ちるで」

「…ん〜っ…大丈夫だC〜…」

「…しゃーないやっちゃなぁ。なぁ、自分…俺と席替わってくれへん?」

「あっ、はいっ!是非どうぞ!」

「おおきに」

「キャー!忍足くんに話し掛けられたよーっ!」



アレ?おかしい。
あたしの隣にいた女の子が凄い勢いで席から離れていく。そしてその代わりに忍足くんが隣に腰を下ろした。

ちなみにその隣には、幸せそうに眠っている芥川くんがチラリと見えた。

アレだ。とりあえず、知らん顔をしよう。

関わりを持ってはいけないと直感でそう思ったあたしは、すぐに窓の方を向いた。


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