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本当のキミと一緒に (1/4)


今日は、あの騒動以来の学校だ。学校の様子については、余り気にせず普通に登校していた赤也くんから色々と聞いていたけど、やっぱり少し怖かった。

だけど、赤也くんがわざわざ迎えに来てくれてその不安は消えた。

それどころか待ち伏せしていた記者に向かって、余裕のカメラ目線でピースする赤也くんに笑ってしまった。



「…ピースまでしちゃったよ」

「隠れたり逃げたりするから追い掛けてくんだよ。てか、俺は堂々としててぇの!」

「それはそうなんだけど」

「それになまえと一緒に登校すんの初めてだし?やっと堂々と歩けんじゃん!」

「うわっ…赤也くん危ない危ない!」



確かに、堂々とこうして2人で歩くのは初めてで…あたしも嬉しいやら恥ずかしいやらでドキドキしてるけど、さすがにそんなに手をぶんぶんしたら危ない。

それに普通に凄い目立つからさっきから周りの人達がざわついてて、少し怖い。

だけど、そんなの関係ないと言わんばかりに嬉しそうにあたしの手を引く赤也くんにヤジが飛んで来て思わず足を止める。



「本当に付き合ってんのかよー」

「うわ、マジで仲良さげ〜」

「…ん?どうだ、羨ましいだろ!」

「ちょ、ちょっと…赤也くん!」

「こいつ、ムカつくけど逆に清々しいな!」



だけど、赤也くんは嫌がるどころかむしろ自慢し始める始末だ。いや、まぁ…さっきもカメラ目線でピースしてたくらいだし、全然変じゃないんだけど。

本当に逞しいなぁ。

とりあえず、あたしは相変わらず赤也くんにブーブーと言ってる男の人達に小さく会釈をするとパッと目を反らされてしまった。

反応的にきっとあたしが嫌いな人達なんだろうと少し悲しくなったが、そろそろ急がないと学校に遅刻してしまうので軽く赤也くんの手を引いた。



「学校、遅刻しちゃうよ?」

「え、あっ、そうだな。よっしゃ!走るか!」

「えっ…えぇ?わぁ、ちょっと赤也くん!」

「学校の奴等にも自慢してぇし!行くぜ!」

「ナマエー!やっぱりファンは辞めねぇから!頑張れよー!」

「えっ…あ、ありがとうございますっ!」



あたしの手を引いて走り出した赤也くんに戸惑いつつ必死に付いて行こうとしたら、後ろからさっき赤也くんにヤジを飛ばしていた男の人があたし向かって叫ぶと手を振っていた。

さすがに赤也くんが立ち止まらなかったのできちんと頭は下げられなかったけど、精一杯の笑顔とお礼を言うと男の人は嬉しそうに笑いながらとあたしと赤也くんを見送ってくれた。


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