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キミに会いに行く (1/4)


やっぱりみょうじの事が心配だったが、部活は真面目にやっていた。

それで、俺がいつもの様にメニューをこなしていたら幸村部長に呼ばれてコートから出ると俺を訪ねて来た人がいると言われて、部長に言われたところに行くと柳先輩と仁王先輩と一緒に見知らぬ女の人がいた。



「貴方が切原くん…かしら?」

「はぁ、俺が切原ッスけど。あんた誰ッスか?」

「そうね。ナマエのマネージャーと言えばわかって貰えるかしら」

「…えっ!?」

「ナマエに会ってくれないかしら。無理なら仕方がないんだけど…もちろん、詳しい話は車の中で話すわ」

「お前が行くと言うならば、俺等も同行する事になるが。どうする?」

「まぁ、聞かんでもわかるがのぅ」



なんだかよくわかんねぇけど…この人に付いて行けば、みょうじに会えるんだと思ってすぐに女の人に行きますと答えた。


◇◆◇◆◇


そんで車に案内されると、何故か仁王先輩が助手席で後部座席に俺と柳先輩と女の人で座って、車の中でナマエのマネージャーの槙野さんが事情を説明された。

ちなみに運転している女の人は、仁王先輩の姉ちゃんだったから仁王先輩が助手席らしい。



「湖に落ちたのもそうなんだけど…その事を物凄く気に病んでいてね」

「いやいやいやっ…!湖に落ちたって…みょうじは大丈夫だったんスか!?」

「携帯に必死で溺れたみたいだけど…怪我はしてないと言う意味では大丈夫よ」

「つまり、みょうじと連絡が取れなくなったのは携帯が水没して壊れたから…という事ですか」

「えぇ。携帯を買い換えるにも山奥での撮影だったから…お店が閉まっててなかなかね。それにナマエの体調も良くなくてね」



どうやら、みょうじは湖に携帯と一緒に落ちてしまって…連絡が取れなくなったらしい。しかも、湖に落ちたせいで体調を崩してしまって市販の薬を飲んでどうにか撮影を終わらせたそうだ。

撮影の延長も考えたらしいんだけど、みょうじがそれは共演者に迷惑が掛かるからダメと断固として認めなかったらしい。だけど、体調が悪いなにも関わらずプロ根性で全ての撮影をNGなしで終わらせたとの事。その結果、全ての撮影が終わったと同時に安心からなのかそのまま倒れて…緊急搬送されたらしい。

そして、隣で柳先輩が小さく頷きながらノートに何かを書き込むとゆっくりと頭を上げた。



「大体の事は理解しました。しかし、事情を説明するだけでなく俺等をみょうじに会わせるのは何故です?」

「ずっと気に病んでいたって言ったでしょう?それと…熱に魘されながら貴方の名前を呼んでたから…かしらね」

「まぁ、私が雅治から話聞いて〜槙野に連絡したからこうなったんだけどねぇ。まさか、雅治があのナマエと知り合いだとは思わなかったけど」



そう言いながら運転をしている仁王先輩の姉ちゃんにチラリとマネージャーの槙野さんが俺の方を見て申し訳なさそうに笑った。


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