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キミをもっと知りたくなる (1/4)


あの日から切原くんを始め、柳先輩や仁王先輩から頻繁に連絡が来る様になった。正直、最初は不安だったんだけど…ずっと友達はいなかったし、人と関わるのは最低限だったから、他愛のない内容のメールが少しだけ嬉しかった。

そして次の時間がたまたま自習で図書室で何か本を借りて来て、課題が終わったら読もうかなぁなんて考えていたら、切原くんから次サボらねぇ?とまさかのサボりのお誘いメールが来た。

どうしようかと迷いつつ、切原くんの方を見るとあたしが切原くんの方を見るのがわかってたのか…行こうぜ!と言わんばかりにニカッと笑った。

正直、今まで授業を余りサボった事がないから断ろうと思ったのに…あたし、あの切原くんの笑顔に弱いのかもしれない。

そして決まりな!と言わんばかりにあたしを見ている切原くんに少し困った様に頷くと嬉しそうに教室から出て行くと同時に切原くんからのメール。

"先に屋上行ってるから来いよ!"

…屋上?確か、屋上は生徒は立ち入り禁止だった気がするんだけど。そんな事を思いつつも、あたしは切原くんに言われた通りに屋上に向かっていた。

そして屋上の扉の前まで来たはいいけど…中に入っていいのかわからず立ち往生をしていたら、急に後ろから手が伸びて来て誰かに目隠しをされてしまった。



「だ、誰ですか?」

「ククッ、素直で可愛えのぅ。普通は、振り払うとかするじゃろうに」

「だ、誰かわからなかったので…あ、あの、仁王先輩…ですよね?離して下さい」

「正解ナリ。当たったご褒美に離しちゃる。それより、なんでこんな場所にいるんじゃ?」

「えっ…あ、切原くんにサボりのお誘いを受けて…屋上にって言われて」

「あやつ…本当にアホじゃな。とりあえず、こっち来んしゃい」

「あ、はい」



何やら呆れた様子で溜め息を吐いた仁王先輩があたしの頭を軽く撫でるとすぐに屋上の扉を開けた。

そして仁王先輩の後を付いて屋上に出ると、何かをしていたのか先に来ていた切原くんが凄い勢いで振り向いてちょっとビックリする。しかも、こっちを向くなりムスッとした顔になって訳がわからず頭を傾げる。

そんなあたしに仁王先輩が何故かククッと笑いながら、あたしの頭をポンポンと叩く様にして撫でる。よくわからないけど、切原くんとは真逆に仁王先輩はとても楽しそうだ。



「なんで仁王先輩と一緒にいるんだよ!」

「え、なんでって…さっき」

「ん〜秘密ナリ」

「なっ!ちょ、秘密って仁王先輩どういう事ッスか!」

「これ落ち着きんしゃい。そんなに騒ぐとサボッとるのがバレるぜよ」

「うぅっ…!と、とりあえず、仁王先輩はみょうじの頭から手退けて下さいよ!」

「ククッ、はいはい」



なんだかよくわからないけど、切原くんが早くこっちに来いと言わんばかりに手招きをしているので仁王先輩と一緒に切原くんの元へ向かった。


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