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おまけ (1/2)


※おまけ的な後日談

夏休みが終わり新学期が始まったのはいいが、急になまえに呼び出された。しかも、なかなか深刻そうな顔をしていて少し不安になりつつも言われた場所へと向かった。



「よしよし。逃げずによく来たな!」

「なまえと早坂?」

「何を隠そう!話があるのは私だ!そしてその前に殴らせろ!」

「ちょ、ちょっと!穏便に済ますって言ったじゃん!」

「いや、日吉の顔を見たら沸々と怒りが」



そして呼び出された場所に来てみると、今にも殴り掛かって来そうな早坂と珍しくおろおろとしているなまえがいた。

というか、今の早坂の一言でなんとなく俺が呼び出された理由がわかってしまった。まぁ、それ程に自分がした事がどれだけ周りに迷惑を掛けていたか理解しているからな。

それになまえが俺を許しても、早坂からしたら大切な友達を傷付けた事には変わりはないからな。



「謝って済む事じゃないのは、わかってる。多分、お前が一番近くで傷付いたなまえを見てただろうしな」

「おう。なまえが許しても私は、あんたを許せない」

「そこは、別に許してくれなくても構わない。早坂が俺を責めて気が済むならそれでいい」

「ひ、日吉くんまで!あたしは、気にしてないって何度も言ったじゃん」



そう言いながら、俺と早坂の間に入ってくるなまえに何故か早坂が笑い出して、さすがにちょっと引いた。むしろ、どこに笑える要素があったのか不明である。

そして不安な顔をしているなまえの頭を早坂が笑顔で乱暴に撫で回しながら俺の方を見た。

特に睨まれている訳じゃないが、俺に何かを訴えるかの様な目に黙って見つめ返した。



「はぁ、ちょっとあんたの事を試しただけ。怒ってないって言ったら嘘になるけど、なまえが笑ってるならそれでいいや」

「えっ、ともだち?どういう事?」

「いやぁ、私に逆ギレしてくる様ならマジでぶん殴ろうかと思ってたんだけどさぁ」

「逆ギレする理由がないが」

「なんていうか、本当になまえの事を大切に思ってるってわかったからもういいや」



まぁ、多分これから色々苦労するだろうけど今度なまえを泣かせたら容赦しないからね!とビシッと俺を指差す早坂に少し驚きつつ、覚えておくと言うと納得したのかうんうんと頷いた。

そして相変わらず、何がなんだかわからないと言った様子でどういう事?と頭を傾げていた。

まぁ、なんだ…早坂には色々迷惑を掛けたが認めて貰えたって事でいいのか。なまえの友人だから、仲良くとまではいかなくても嫌な思いはさせたくないからな。



「とりあえず、殴られなくてよかったなぁ。なぁ、日吉?」

「…なんであなたがいるんですか」

「たまたま、通り掛かっただけやで?なんや、修羅場かと思ったわ。そんで自分、みょうじさんの友達なん?」

「え、あぁはい。そうですけど?」

「友達想いのええ子やなぁ。正直、友達の為言うてもテニス部にそない強い物言いする子おらんし」

「はいはい出た出たテニス部をみんなが特別視してる発言。私、テニス部とか関係ないんで文句があれば言いますけど?」

「ちょっと、ともだち!忍足さんは、先輩なんだからそんな言い方しちゃダメでしょ」



ややこしい事になった。
突如現れた忍足さんに早坂がさっきと打って変わり、一気に機嫌が悪くなる。こいつ、テニス部が嫌いな口か。まぁ、確かに男にキャーキャー騒ぐタイプではなさそうだが。


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