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泡にはならない (1/5)


「イェーイ!テニス部とみょうじの優勝を祝ってカンパーイ!」

「おい!まだ俺様の挨拶が終わってねぇだろうが!!」

「「「カンパーイ!」」」

「跡部の話がなげぇのがわりぃ!うっまそ〜!いったただきまぁ〜す!」

「まぁ、とりあえずお祝いちゅっー事で堅苦しいのはなしにして楽しもうや」

「ったく、浮かれやがって。テメェ等!好きなだけ食いな!」



ワイワイと騒いでいる先輩達は、いつも以上にテンションが高くて表情も緩みっぱなしだ。

というのも、我等氷帝が無事に全国大会で優勝をしたからだ。そして隣でぽかーんとその様子を見ているみょうじに至っては個人戦を総なめして、ある意味有名人になった。

そしてそのお祝いという事で跡部さん家で打ち上げと言う名のパーティーが開かれたのだ。



「ふふふ、みょうじさん個人戦で大活躍だったね。ビックリしちゃったよ」

「え?あ、ありがとうございます!皆さんが観に来てくれたからいつもより調子良くて!」

「ふふふ、可愛い事言ってくれるね。でもそれなら、俺等だってそうだよ?みょうじさんが全国大会で応援し来てくれたから」

「そ、そんな事ないですよ」

「せやで?日吉なんかいつも以上にテンション高かったしな」

「…忍足さん、眼鏡かち割りますよ」



俺の隣で滝さんと忍足さんに話し掛けられているなまえは、イマイチこのお祭り騒ぎに慣れていない様で少しだけそわそわしている。

それにしても、今までジャージや水着姿しか見てなかったせいか、綺麗にドレスアップしているとなまえの可愛さが際立つ。正直、みんなに余り見せたくないというのが本心だ。

特に可愛えなぁ〜なんて言いながら舐める様になまえを見つめているこの胡散臭い眼鏡の先輩には、要注意だ。



「…日吉くん?どうかしたの?」

「いや、余り必要以上に忍足さんに近付くな。何かされたら困るからな」

「ちょ、日吉それどういう意味や。ちゅーか、俺先輩やで?」

「関係ないです」

「ふふ、大丈夫だよ。俺がちゃんと見張っとくから」

「よろしくお願いします」

「ちょ、滝まで酷ない?」



いや、普通に考えて忍足さんの日頃の行いからしてそれは仕方がない。とりあえず、何がなんだかわからないと言った様子のなまえに余り気にするなと言うと、頭を傾げながら頷いた。

それにこの場にいる女は、なまえしかいないので普通に視線が集まるから心配だ。まぁ、忍足さんがからかってくるくらいはわかっていたが、やはり気分がいい物ではないからな。


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