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嬉しいと涙する (1/4)


なまえが泊まるの必要な物を取りに行く前に動物病院に寄って猫の様子といつ退院出来るのかを聞いた。

元から結構な怪我やったから後2日は様子を見るっちゅーんで引き取りは2日後になった。せやけど、大分元気になったみたいでなまえを見るなり嬉しそうににゃーにゃー鳴いとった。

ほんで、なまえん家で服とかの持って、必要なもん買って家に戻った。



「ただいま。ちゅーか、荷物どないするん?」

「お、お邪魔します」

「はいはい、おかえり。なまえちゃんもただいまでええんに。ほんで、荷物はあんたの部屋でええんちゃうん?」

「…オカン、それホンマに言うてるん?いや、まぁええけど…なまえこっちやで」

「うん」

「ほな、荷物置いたら降りて来るんやで」



…ホンマに俺の部屋に泊まるんかい。いや、別になまえを俺の部屋に泊まらせんのが嫌やとかやないんやけど…普通に客間やと思っとったわ。

ちゅーか、オカンはなんも考えてないんかい。別にええけどな、なまえと一緒におれるんは俺も嬉しいし。それになまえに俺がなんも出来んのわかっとるから言うたんやろうけど。

それになまえがひとりで寝れるか心配やから俺と一緒にしたんやろうけど、なんや…めっちゃ複雑なんやけど。


ほんで、とりあえずオカンに言われた通り荷物置いてすぐにリビングに向かった。

したら、いきなり輝がなまえに向かって飛び付いた。せやけど、飛び付いたいうても脚に貼り付いた感じやけどな。



「おねぇちゃーん!だっこ!」

「抱っこ言う前に飛び付いとるやんけ。なまえ、平気か?」

「う、うん…びっくりしただけ。抱っこしてもいい?」

「別にええけど…さっきと違って椅子に座っとる訳ちゃうし、結構重いで?」

「…っ…ど、どうかな?抱っこ」

「おれね!おねぇちゃんのだっこすきやで!もっとぎゅーってしてや!」

「おいこら、なまえにぎゅーしてええんは俺だけや、アホ」

「へへーんだ。ひかるにーちゃんはだめやでー!」



…このチビッ!
ぎこちない手付きで輝を抱っこしとるなまえにぎゅーっと抱き付く輝はあからさまに俺に羨ましいやろ〜と言わんばかりの顔をしとる。

しかもなまえも、嫌やないみたいで少し戸惑いながらも輝の頭を撫でとる。

あぁ、もう…なんやねん。
輝を抱っこしとるんは、どうにもならんからなまえを後ろから抱き締めるとなまえ越しに輝と目が合った。



「…光くん?どうしたの?」

「ひ、ひかるにーちゃんちかいー!あっちいってやー!」

「ならお前がなまえから降りろや!」

「ベーッだ!」

「なまえ、そいつもう降ろし!抱っこせんでええ!」

「光くん、大人気ないでぇ?」

「ちゅーか、光は必死過ぎやろ!どんだけやねん」



なんや、兄貴と義姉がゲラゲラ笑っとるが笑い事ちゃうわ!ちゅーか、必死にもなるっちゅーねん。

俺は、最初に頭に触れただけで手振り払われとるんやぞ。そう軽々しく触れさせて堪るかアホ。


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