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それで相変わらず、切原はうるさいけど…他の3人は比較的、真面目に話を聞いてくれた。
「新たな強敵、従兄弟。エロゲやと最大の敵は幼馴染みやけど、従兄弟はあんま聞かんな」
「神尾は、その従姉妹が好きなのか?」
「さぁ?でも他の女の子とデートしてるのは、なまえに話してないよ」
「え、名前なまえって言うのか!なぁ、紹介して!」
「…切原、テメェは黙ってろ」
「…アッハイ」
「どんどん神尾が最低なヤツに思えてくるんだが。好きなヤツが他にいるなら…いくらお願いされても一緒には寝ないだろ」
「せやなぁ、いくら従姉妹やからって俺なら好きでもない限り一緒に寝るとか無理やな」
あ、ヤバい。なんかアキラの印象がどんどん悪い方向に行ってる。いや、でも…別に俺は嘘言ってないんだよなぁ。
むしろ、事実だし。
でも俺は、別にアキラを悪者にしたい訳じゃないし。多分、アキラはなまえが放って置けなくて甘やかしてるだけだし。まぁ、最近はかなり相手にしてないけどね。
「…でも昔からよく一緒に寝てたって言ってたし。多分、アキラも今更突き放すのも可哀想だと思ってたんだと思うけどね」
「まぁこの際、神尾はどうでもええわ。せやけど、最近は伊武と電話して寝てた言うてたけど…大丈夫なん?」
「…どうだろ?さすがに寝ないって事はないだろうけど」
「いつも寝落ちするまで電話してたんだろ?…それこそ寂しくて寝れねぇんじゃねぇのか?」
「も、もっかい…電話してみろよ!もしかしたら、出るかも!」
切原に言われて再度なまえに電話を掛けるが、相変わらず電源を切ってるらしく繋がらなかった。
ハァ…なんか寂しいけど強がって携帯見つめながらん〜ん〜唸ってそう。ていうか、心配だからせめてメールくらいして欲しいんだけど。
やっぱり出ないか…みたいな顔をしている3人にもういいよ。と言うと切原があっ!となにかを思い出した様に声をあげた。
「なまえは、神尾ん家にいるんだよな?」
「…勝手に名前で呼ぶなよ」
「いいから聞けよ!」
「で、それがなんやねん」
「だったら普通に神尾ん家に電話すればいいんじゃね?んで、なまえいますか〜って電話代わって貰えば話せんじゃん」
「…………」
「…………」
「切原が初めて役に立ったぞ」
「初めては余計だ!」
あぁ…そっか。
確かに、それならなまえが携帯の電源を切ってても関係ないし。
神尾ん家の電話番号知ってるん?と聞いてきた財前にコクりと頷くとほな早速電話や!と言われて電話帳から神尾ん家を選んで電話を掛けた。
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