×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

(3/4)


大人しく俺の後ろを歩いているなまえは、どう見ても元気がない。なんていうか、いつもバカみたいに喧しいのが嘘みたい。

まぁ、毎日1人で帰ってるみたいだし。逆に元気いっぱいだったらそれはそれでヤバイよね。



「ねぇ、なんでアキラん家に来たの?」

「母さんの仕事でみんなでイギリスに行く事になったんだけど、嫌だって言ったから」

「…ふーん。なんで付いていかなかったの」

「…イギリス行っても1人になるから。なら日本に残って友達といた方がいいもん」



…ふーん。元から親が忙しくて1人でいる事が多かったって事かな。それで前の学校だと友達を呼んだりして一緒にいたって感じかな。

それでアキラん家に来たら来たでアキラは部活と遊ぶのに忙しくて家にいないし、家に呼べる友達もまだいないから結局家で1人って事ね。

忙しいのかなんなのか知らないけど、前に比べるとアキラの親も家にいないっぽいし。前までアキラんちのお母さんが夕御飯食べて行きなさいって言ってたけど、最近はなまえが作ってたっぽいし。



「らしくないとか思ってるんでしょ!」

「別に」

「…………」

「素直に寂しいから早く帰って来てってアキラに言えば?」

「あたし居候の身だもん」

「ハァ…可愛くないなぁ」

「どうせ可愛くないよ!」



まぁ、寂しいから一緒に寝て〜とか言うみたいだし…アキラには素直な方なのかな。それはそれでなんかムカつくけど。

ハァ…なんで俺がこんな事までしなきゃならないんだよ。まぁ…別になまえだし、いいけどさ。

それになまえに頼まれた訳じゃないし。なまえは、悪くないけど。

そんな事を考えてたらいつの間にかアキラん家に着いた。どこも電気がついてないところを見るとやっぱり誰もいないみたい。



「…………」
「…………」

「…じゃあね」

「ま、待ってよ!」

「…なに?」

「…ア、アキラが帰って来るまでいてくれたっていいじゃん」

「…別にいいけど。俺、お腹空いたんだけど」

「作ればいいんでしょ!」



…やっぱり可愛くない。

そして玄関の鍵を開けるとヤケクソなのかなんなのかなまえが俺の手を引いて家に入った。

本当に真っ暗だなぁ。なんて思ってたからなまえが電気をつけて一気に周りが明るくなる。

そして早く来てよ!なんて全く可愛くない事を言っているなまえに溜め息を吐きながらもゆっくりと家に上がった。


prev|next

[戻る]