×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

(2/4)


*****

テニスコートの外にあるベンチをみれば、大人しくベンチに座っているなまえがいる。

委員会が終わって遅れて部活に来たアキラがなんでなまえが?みたいな顔してたから俺が連れて来たとだけ言っといた。

それで部活が終わって相変わらずベンチに大人しく座ってるなまえの元に向かうとアキラが俺の追い越す様にしてなまえの元に走って行った。

…俺が連れて来たって言ったのになんでアキラまで来るかな。



「なまえ〜!どうだった?」

「えっ、うん!凄かった」

「でも急に部活見に来るなんてどうかしたのか?」

「…だから俺が連れて来たんだって。教室で暇そうだったし」

「そ、そう!深司がね、暇なら来ればって!」

「まぁ、家にいても暇だしな。じゃあ着替えて来るから先に帰るなら気を付けてな!」

「うん」



しかもなんか言いたい事だけ言って終わりだし。ていうか、普通なら着替えて来るから待ってろとか言うんじゃないの?まぁ、どうせゲーセン寄るんだろうけど。

それでアキラと一緒に帰れないとわかったのか少し悲しそうな顔をして立ち上がるなまえがアキラに言わないでくれてありがと!と笑った。

深司もお疲れ!じゃあ帰るね〜!と軽く手を振る様に去って行こうとするなまえの腕を掴む。



「…裏門で待ってれば」

「へ?」

「見に来る様に言ったの俺だし…送ってく」

「深司は、アキラ達と帰るんじゃないの?」

「ゲーセンの気分じゃないし。嫌なら帰ってなよ」

「あ、ちょっ!深司!!」



とりあえず、俺も着替えて帰る準備しよう。なまえがなんか後ろで騒いでた気がするけど、まぁいいや。

遅れて部室に入るとアキラ達が今日はどこのゲーセンに行くとかなにをやるだとか話をしていて、自然と溜め息が出た。

…まぁ、別にいいけど。

そして手早く着替えて、相変わらず話し込んでるアキラ達に先に帰ると一言声を掛けて部室を出た。


ゆっくりと裏門に向かうとしゃがんで地面に何かを書いているなまえが目に入り、少しだけ安心した。



「…何してるの」

「あ、深司!何って待ってればって言ったの深司じゃん!」

「いいから立ちなよ」

「ん、ねぇアキラ達は?」

「さぁ?まだ着替えてるんじゃない。なに、ゲーセン行きたいの」

「ううん、深司と帰る」

「ん」



しゃがんだまま俺を見上げているなまえの腕を引いて立たせてからゆっくりと歩き出すとなまえがその後を素直に付いてきた。


prev|next

[戻る]