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今更、突っ込むのも面倒臭いし、なにより動きたくなかったので黙って深司の行動を見ていた。
そして勝手にTVを付けた。
どうやら、DVDを見るらしい。なんで、あたしの部屋なんだよ…と思いながらも、あたしも暇だしと思いTVを見つめた。
が、しかし…
「ウギャァァ!?」
「ちょ、うるさいんだけど…しかも痛い」
「おま、なんつーもん見てんだ!」
「洋画だけど」
「そういう事じゃねぇし!!ッ、ギャァァアァ!?」
「…いたっ、ちょっと急に飛び付いて来ないでくれる?」
「ぐぅっ…ちょ、待って…!お、お腹痛い!…っ、ヒィッ!?DVD止めてっ…!」
深司が見始めたDVDは、なんかよくわからないけどヤバいヤツだった。とりあえず、人が問答無用でブシャァァってなるヤツ。なにこれグロい。
後、音が怖いっ!!!
そして余りの恐怖に隣でのほほんとしてる深司に飛び付くと呆れた様にDVDプレイヤーを止めてくれた。
いや、なんなの!?どんな趣味してんだよ!あぁ…もう普通に気分悪くなってきた。
「…深司のせいで気分悪くなってきた」
「俺のせいにしないでくれる?」
「あぁ、もう…お腹も痛いし」
「ハァッ…ベッドに入って大人しくしてればいいじゃん。騒ぎ過ぎ」
「誰のせいだと思ってんだ!!」
「…ふーん?ならアキラの部屋に戻るけど」
は?なにその言い方。別に普通に戻ればいいじゃん。
そしてなにも言わないあたしに深司がゆっくりと立ち上がり部屋から出て行こうとする姿をベッドに座りながらボーッと見ていると、急に立ち止まってこっちを向いたかと思ったらツカツカとあたしの元に向かって来て思わず構える。
な、なんだよ!
あたしはなにもしてないぞ!
「…本当に可愛くないよね」
「は?」
「…別に。早く布団入って寝なよ」
「言われなくても寝ますー」
「電気は?」
「じゃあ消して」
「はいはい」
なんかよくわからないけど深司に言われてベッドに入り布団に潜ると軽く布団を掛け直してくれた。
そして深司がゆっくり電気を消すとそのまま部屋を出て行こうと背を向けた。
相変わらず、意味がわからないヤツだけど…今日はなんだかんだで助けられたからね。
「ねぇ、深司」
「…ん、なに?」
「…あ、ありがと」
「…………別に」
素直に深司にお礼を言うと少し間があったような気がしたけど、特に気にした様子もなく深司は部屋を出て行き、あたしはゆっくりと目を瞑った。
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