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そして結果的になまえと2人で歩いて帰ってる訳だが、まだ眠たいのかボーッとしたまま隣を歩くなまえに少しだけ心配になる。

まぁ、手は繋いでいるから多少の事は対処出来るが。



「大丈夫か?やっぱり車で送ってもっ」

「あたし、本当はずっと日吉くんと帰るのいつも楽しみにしてたんだと思うんだ」

「急にどうした?」

「日吉くんは、女子が苦手でしょ?なのにわざわざ送ってくれて、毎回いいよなんて断ってたけど本当は嬉しかったんだよ」

「そうか」

「だからね、今更だけど結構思わせ振りな態度だったかな〜って。だって、跡部さんや忍足さんに送って行くって言われても全部断ってたし」



あ、向日さんにも一緒に帰ろうって言われたなぁ〜なんて言いながら空を見上げながら話すなまえに困惑する。

…一体、なんの話だ?

俺に思わせ振りな態度だと言われた事を未だに気にしている…という訳でもなさそうだが。なら逆か?俺に思わせ振りな態度はダメだと言ったのに自分が思わせ振りな態度だったよね?と俺に聞いてるのか?



「それで、滝さんから聞いたんだけど」

「滝さんから?」

「日吉くんが新部長になるんだってね」

「あぁ、その話か。また随分と話が飛んだな」

「いや…いきなり言うのもアレかなぁって。でも日吉くんと一緒に帰るのが好きなのは本当だよ?」

「ふっ、そこは疑ってない。それで、その話がなんだ?」



変なところで気を遣うのは相変わらずだが、やはり滝さんが言ってた通り何か言いたい事があったみたいだな。まぁ、滝さんから何か聞いたみたいだが…ん?だから、滝さんも何か言いたい事があるんじゃない?なんて言ったのか。

そしてなまえがポツリポツリと話を始めて、少しだけ驚いた。

というのも、あの跡部さんの後に部長になる事について滝さんに少しだけ俺が不安を漏らした時の事についてだった。



「日吉くんは、日吉くんだから…なんて言うか、別に跡部さんみたいな部長にならなくていいと思うよ」

「まぁ、まずなれる訳ないからな。自分がまたあの人と同じレベルじゃない事くらいわかってる。それにあの人は、氷帝テニス部の太陽みたいな人だからな」

「なら、日吉くんは月になればいいじゃん。太陽は月になれないし、月も太陽になれない。だから、日吉くんは日吉くんのままでいいと思うな」



それにあたしには、部長がどれだけ大変とかよくわからないけど…手伝える事があれば手伝うから。と眉を下げて笑うなまえにゆっくりと空を見上げた。

…月か。

だから、さっきなまえは空を見上げていたのか。滝さんからどんな話を聞いたのかは、聞かないが…ずっと俺の事を気にしていてくれたのか。


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