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そして日吉くんが話し終わり、恥ずかしいやら照れるやらであたしはまともに日吉くんを見る事が出来ずにうつ向いている。

思ってた以上に日吉くんがあたしを好きっていうのが伝わってきて本当に胸が苦しいです。



「…黙るなよ」

「い、いや…照れてるんだよ。察してよ」

「怒ってないのか?」

「え?」

「傷付けたのは事実だろ。それに俺は、みょうじが気にしいなのを知ってたのにだ」

「…え、あっ、うん。ごめん、なんかそんなのどうでもいいくらいに嬉しいから気にしてない」

「…気にしろよ」

「確かにショックだったし、悲しかったよ。でもなんか…日吉くんが好きならいいかなぁみたいな…ははっ」



本当に辛かったし、どうしていいかわからなかったけど…なんか日吉くんの気持ち聞いたらどうでもよくなっちゃったよ。

そんなあたしを見て呆れた様に笑う日吉くんがでも悪かったとあたしの頭を撫でてくれて、全然!とぶんぶんと頭を振った。

うわぁ…あたしってかなり単純かもしれない。

もはや、なんか気持ち悪いぞ。



「…じゃあ戻るか」

「えっ!」

「昼食の途中だっただろ。その顔で戻り辛いならなんか持って来てやるが」

「そんな酷い?」

「…泣かせた俺が言うのもなんだが、結構赤いぞ」

「ん〜、行く!なんか元気になったらお腹空いたし!それに日吉くんだけで行かせたら、みんなに日吉くんが怒られちゃいそうだし」

「いや、既に怒られた後だ」

「えぇ…ちなみに誰に?」

「主に川谷さんと海野さんだな」



うわぁ…川谷先輩はなんとなくわかるけど、まさか海野先輩まで…。

そんな会話をしながらゆっくりと日吉くんが座り込んでいたあたしの手を引いて立たせてくれて、そのまま歩き出す。

ていうか、あたし水浴びてびしょびしょなんだった!

バッと日吉くんの手を離して日吉くんを確認するとあたしを抱き締めたせいで案の定びしょ濡れである。



「…どうした?」

「日吉くんびしょ濡れ!」

「あぁ…別に天気も悪くないし、その内乾くだろ」

「ダメだよ!あたしは中が水着だから問題ないけど、日吉くんは試合あるんでしょ?」

「…わかった、部室に予備のジャージがあるから行くぞ」

「うわ、今日の日吉くん素直だ」

「やっぱり行かないでよすか」

「ははっ、嘘だよ。ごめんね」



…いや、嘘じゃないけど。

でもほら行くぞと手を差し出してくれてる日吉くんの顔がうっすらと赤くて、ちょっと笑ってしまった。

まさか、いつもクールな日吉くんを可愛いと思う日が来るとは思ってもみなかったよ。


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