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そして部活が終わってから俺は、プールに向かった。

みょうじには、待たなくていいと言われたが謝らなければならないのは俺の方なのだから謝罪くらいさせて欲しい。

そしてプールに向かうとそこには、いつもいない水泳部の先輩達がいそいそと片付けをしていた。



「ん、あれ?日吉じゃん!」

「…どうも」



そして俺に気付いた川谷さんが片付けをしていた手を止めると走ってこっちに向かってくる。


「部活お疲れ!最近のテニス部はこんな時間までやってんのか!大変だな!」

「川谷さん達もお疲れ様です。それともう大会が近いですから、練習が長くなるんです」

「そりゃそうだ!んで、どうしたん?なんか用か?」

「みょうじは?」

「あぁ…みょうじなぁ。なんか体調が悪いみたいだったから今日は早めに帰したんだよ」



川谷さんのまさかの言葉に一瞬目を見開く。あの風邪気味でも余裕で泳いでたみょうじが帰った?それほどまでに体調が悪かったのか。

だが、教室ではそんな風には見えなかった。確かに…元気はなさそうだったが、体調が悪い感じではなかった気がする。

と、今日のみょうじを思い出していると川谷さんがどうしたー?と俺の顔の前で手を振りながら頭を傾げていた。



「いえ…みょうじが体調が悪いというのは、熱とかそういう感じですか?」

「ん?いや、熱とかじゃねぇんだけど…なんつーかボーッとしてるし、タイムがすげぇ悪くてさ」

「タイムですか?」

「おう。そりゃあみょうじだって調子悪い時もあるだろうし、いつもなら気にしねぇんだけどさ。今日のはあからさまに様子変だったからよ」

「変とは?」

「ほら、みょうじってタイムが悪くても泳げればいいや〜みたいなヤツだろ?なのに、今日のみょうじ泳いでても笑ってなかったんだよ」



だから心配でなぁ〜それに体調悪いなら無理しないで帰れって言ったら素直に帰っちまったし…と言うと川谷さんは、みょうじが心配で仕方ないのか悲しそうに笑った。

あの泳ぐのが大好きなみょうじが泳いでいて笑ってない事なんてあるのか。

…もしかして、そこまで俺に言われた言葉を気にしているのか?みょうじは、夜のプールで会った時からそうだったが…やたらと気にしいなところがあるからな、有り得ない事じゃない。


…そう考えると尚更、みょうじに謝らなければならない。あいつの事だから、自分のせいで俺が気を悪くしてるとでも思ってるんだろう。

そして、事情を軽く話してくれた川谷さんに頭を下げてから帰った。


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