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昼休みにもともだちが何度も大丈夫?と聞いてきたが、別にそんなに心配する程の事じゃないのに。

そして日吉くんにもう待たなくていいと伝える事が出来ないまま、放課後になる。クラスが一緒なんだからいくらでも言うチャンスは、あったのにあたしは一体何をしてたんだろう。

しかもそんな事を思ってる内に、日吉くんは部活に行ってしまったらしく既に姿はなく…最後のチャンスすら逃した。

その結果、わざわざ鳳くんがいるクラスまで行くハメになった。さすがにテニスコートまで行く勇気はない。

ちなみに何故かともだちまで付いて来ている。



「あの鳳くん」

「ん、あれ…みょうじさん、どうしてここに?何かあったの?」

「うん、ちょっと頼みたい事があって」

「うん、いいよ。なに?」



そう言いながら人当たりの良さそうな笑みを浮かべる鳳くんに少し安心しつつ、日吉くんへと言伝てを頼んだ。


―――
――――
―――――


*****


昨日の事でみょうじに謝ろうとしたが、気が付いたら放課後になっていて逃げるように部活に来てしまった。

しかも俺の勘違いならいいが、今日のみょうじはどこか元気がなかった。それが昨日の俺の言葉が原因なら謝らなければならないというのに…それに加えて早坂(ともだち)からヤケに視線を感じた。



「ねぇ、日吉」

「なんだ?」

「みょうじさんと何かあったの?」

「なにがだ」



俺より少し遅れて部活に来た鳳がコート来るなりそんな事を聞いてきて自然と眉間に皺が寄る。

ゆっくり鳳の方を向くと、すまなそうな顔をして俺を見ていて意味がわからなかった。



「みょうじさんからの伝言なんだけど、もう待たなくていいって今まで送ってくれてありがとうだって。後、ごめんねって」

「…………」

「日吉、みょうじさんと何かあったの?」

「なんでもない」

「…そう?じゃあちゃんと伝えたらね」

「あぁ、悪いな」



まさかみょうじが鳳に伝言を頼むとは思ってもみなかった。それにやっぱりあの俺の言葉を気にしていたのか。

しかもみょうじに謝られる理由はない。むしろ、謝らなければならないのは俺の方だ。

元からみょうじは俺の為にと気を遣って無駄に関わらない様にしてくれてたんだからな。

…………。

みょうじは何も悪くない。


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