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そしてなんとなく気恥ずかしい中、今度はみょうじが話題を振ってくれたんじゃが…なんというか、さっきのお返しなのか結構ド直球な質問で笑ってしまった。
「ずっと考えてたんだけど、におーくんがわたしのどこが好きなのか全然わからなかったから…不思議だったんだぁ」
「そんな事、考えてたんか…」
「だって、わたしはにおーくんみたいにスポーツが出来る訳でも、取分け優しくもないし、性格も良くないよ。それに取り柄っていう取り柄もないもん」
「それはお前さんからしたらそうかも知れんが、俺からしたらみょうじには良いところがいっぱいあるぜよ」
「んー…そうかな」
「お前さんは物凄く素直じゃ。裏も表もなく、真っ正面からぶつかって来るところが好きじゃよ。今だってそうじゃ、気になってもなかなか聞けん事でも俺にちゃんと聞いてくれるじゃろ」
これは、本当じゃ。
仮にみょうじに裏表があったとしても、それを見せない強さと優しさを持っちょる。
それに素直と言っても、無神経に人を傷付ける訳でもない。いや、まぁ…例の女は傷付いたかもしれんが、あそこまでハッキリと言ってくれて俺としては助かったからのぅ。
ちょっと小悪魔っぽい素振りも見せるが、計算でしてると言うよりもイタズラっ子の様な印象じゃし。誰かに好かれようとしてやってるって感じがしないのも、みょうじの良いところじゃと思う。
まぁ、最初は本当に意味わからん変なヤツじゃなくらいの印象じゃったけどな。
「え、わっ…そんな事初めて言われた! わたし、意味のない嘘が嫌いなだけで…自分勝手だよ?」
「急にネガティブじゃな」
「なんか、みんなににおーくんが彼氏とか羨ましいな〜いいな〜…って言われて、わたしでいいのかなって柄にもなく考えてたんだよ〜」
「そこは、いいじゃろ〜って自慢するところじゃ。もっと自信持ちんしゃい。そもそも、俺はそんな大したもんじゃなか」
「んんんー…わかった! もう考えるのやめる。わたしはにおーくんがすき! それでいいって事だよね?」
「それにお前さんだけじゃなく、俺も好きじゃから心配せんでいいナリ」
「う、うん! わかった、ありがと!!」
照れ臭そうに笑いながらも嬉しそうなみょうじに、さっきの恥ずかしさが嘘の様に恥ずかしげもなく好きだと言えるくらいには俺もみょうじを好いとるよ。
まぁ、こんな格好付けてはいるが心臓は爆発しそうじゃし、滝の様に汗が流れとるがの。
とりあえず、これからもよろしくという意味を込めて頭を軽くポンポンと撫でるとみょうじが物凄い勢いで、俺の手を取ったかと思うとギュッと手を握り恥ずかしそうに笑った。
…やっぱり、小悪魔じゃ。
それと俺の手汗が気になって気になって仕方ないんじゃが。不意打ちは卑怯ナリ。
(におーくんの手おっきいよね)
(まぁ、小さくはないじゃろうが…)
(身長もおっきいもんね)
(それは、まぁ…平均より上じゃな)
(わたし、におーくんを見上げるのすきなんだ〜)
(なっ、またそう意味のわからん事を)
(ちゃんと顔見れるからだよ!)
(余計に意味がわからん…)
(におーくんは、わたしが見上げると絶対に目合わせてくれるから)
(…それは、お前さんだけにじゃよ)
(へへっ、わたしだけだ〜!)
E N D
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