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とりあえず、川谷先輩と違って最後まで話を聞いていた海野先輩が詳しくに説明してくれたんだけど…跡部さんって本当になんでもかんでも出来ちゃう人なんだなぁ。

というのも、あたし達水泳部がテニス部になった時に川谷先輩が夏の大会に出たいと跡部さんに言っていたらしく、なら学園長に掛け合ってやると言われたらしい。

そして本当に大会に出られる様にしたというのだから、跡部さんは凄いと思う。



「って事で!今日から大会に向けて本格的に練習するぞ!」

「でもタイム落ちてそうで怖いんだけど…」

「それな。俺等、活動停止の間なんもしてなかったからなぁ」

「最近の泳ぎを見る限り大丈夫じゃないですか?そこまで衰えてなかったですよ」

「そうだそうだー!それにみょうじが言うならきっと大丈夫だ!」

「…わかったから川谷は声がでかい。まぁ、放課後にまたミーティングするからそのつもりでいて」

「はい、了解です」



相変わらず、川谷先輩は元気だなぁ。そしてそんな川谷先輩をうんざりした様な顔をしながらもしっかり連れて帰る海野先輩はやっぱり優しい。瀬戸先輩は、相変わらず笑って見てるだけだけど。

とりあえず、川谷先輩がブンブンと手を振りながらまた放課後なー!と叫んでいたので控えめに手を振り返しておいた。

それと、廊下で叫ばないで下さい…うるさいです。



「相変わらず、強烈な先輩だねぇ〜。トイレまでなまえの事呼んでる声聞こえたし」

「…ははっ、悪い人じゃないんだけどね」

「それでなんかあったん?」

「ん〜夏の大会に出れるんだって。なんか跡部さんが色々やってくれたんだって」

「マジで!?絶対に観に行くからね!なまえの水着姿を!」

「ちょ、ともだちも声でかいし!言ってる事もおかしい!」



タイミングが良いのか悪いのかトイレに行っていたともだちが先輩達と入れ替わるように帰って来て、軽く事情を話せば鼻息を荒くさせながらよくわからない事を言い出す。

本当にやめて欲しい。

先輩達のせいでそれでもなく無駄に視線を浴びてたのにともだちの発言により更にクラスメイトから視線が刺さる。

ほら、あそこの男子なんか水着ってなに?気になるんだけど〜とか言ってるし。



「…その発言的にもう話を聞いてるみたいだな」

「あ、日吉じゃん」

「…ちなみにさっきの廊下まで聞こえてたぞ」

「え?なまえの水着姿を見に行くって話?事実だから問題ないけど」

「問題しかないよ!」

「いやぁ、私は日吉と違ってなまえの水着姿とかなかなか見れないかっ…んぐ!」

「ともだち…1回本気で黙ろう?日吉くん…ごめん」

「別にみょうじが謝る事じゃないだろう。それに水着姿を見てるのは事実だからな」

「ちょっと!日吉くんまでっ!」



…どうやら、あたしの周りにいる人は無駄に声がでかいらしく、これ以上騒がれたくないのでともだちの口を手で塞いだ。

なのに、今まで何処かに行ってたのか、教室に入って来た日吉くんまで悪ノリして来て周りがざわめく。

…うわぁ、日吉くん凄く悪い顔してる。


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