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12*(2/4)


結局、みょうじを呼び出す事は出来ずに部屋で悶々としていると…何故か、俺が見知らぬ女子から呼び出しをされるというよくわからない状況になった。

しかも、応対したのが真田だった為に居留守を使う事も出来ず…仕方なく、見知らぬ女子の後を付いて行った。

そして暫く歩いて、なんとなく俺への用事がなんなのかを察して気が重くなる。いや、タイミングよく俺がしたいのに出来ない事をするのはやめて欲しいぜよ。まぁ…この子に悪気はない上に…むしろ、俺に好意的なんじゃがな。

そしていざ、面と向かって好きだと気持ちを伝えられるが…彼女を全くもって知らない俺が気持ちに応えられる訳もなく、やんわりと断る。

泣かれると面倒なので、あからさまに拒絶しない様に細心の注意をして言葉を選んだ。だが、彼女は諦め切れないのか…自分に余程自信があるのか、全く引き下がらない。

"とりあえず" だとか "私は大丈夫だから" だとか、まるで俺の話を聞いちゃあいない。

流石に相手をするのも疲れて来たので、ハッキリと断ろうと顔を上げた瞬間…俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。そしてその声に俺が反応する前に、声の主がひょっこりと顔を出すもんだから驚きじゃ。



「あっ、におーくん見付けた」

「お、おう…」

「みょうじさんだっけ、もう少し待ってくれる? 今、仁王くんから付き合おうって返事を貰うところだから」

「……ふーん? そうなの?」

「いや、さっきから断っとるはずなんじゃが…俺は、お前さんとは付き合うつもりないぜよ」



そしてモノの見事に話がややこしくなっていき、正直焦る。不思議そうな顔をしつつ、俺を見つめるみょうじに必死に弁明するが…それに噛み付く様に反応する彼女が喧しくて敵わない。

だが、そんな彼女をジーっと見つめたかと思ったらスタスタと俺に向かってみょうじが歩いて来て、意味がわからず困惑する。

そして相変わらず、ギャーギャーと喧しく騒いでいる彼女に向かって口を開いた。



「におーくん、凄く困ってるよ。こんなに顔でも嫌だって言ってるのに…わからないの?」

「なっ…!」

「におーくんの事が好きなら、ちゃんとにおーくんの気持ちを聞いてあげなきゃダメだと思う。それと、におーくんが嫌がる事はしないで欲しいな」

「い、嫌がってっ…!? そんな事ない! ねぇ、仁王くん!?」

「…むぅ、そうやって自分の気持ちを押し付けちゃダメだよって言ってるのに…そんな言い方したら誰だって嫌だって言えないよ?」



彼女から俺を守る様にみょうじが言葉を紡ぐ、それが更に彼女の逆鱗に触れたのか…余計に口調が荒くなっていく彼女にみょうじが悲しそうな顔をした。


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