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そして暫く、幸村と参謀と一緒に線香花火をしながら駄弁っているとみょうじの友人である栗原が声を掛けて来た。



「男3人で線香花火って…なんの話してるの?」

「ふふっ、それは秘密かな」

「なに、男同士の秘密の話といったところだ」

「え、なにそれ、凄い気になる。 とか言いつつ、実はアレでしょ? 恋バナ」

「ふふっ、さぁ…どうかなぁ?」

「いやいやぁ〜なまえちゃんの事でしょ? バレバレだからね?」



…いや、何がどうしてそうなったんじゃ。そしてあからさまに俺を見つめる栗原に居心地の悪さを感じつつ、ただただ黙っていた。

そもそも、栗原は何しに来たんじゃ。特に俺等に用がある感じでもなさそうじゃし。さっきまで普通に花火をしてたはずじゃし、アレかただの興味本意か。



「…え、そんな嫌そうな顔しないでよ。なまえちゃんが仁王くんとの事、全然話してくれないから気になってて…なんかごめん」

「…いや、別に気にしちょらんが」

「待ってまって、栗原さんはみょうじさんに何をなんて聞いたの?」

「なんで幸村が興味津々になっとるんじゃ」

「えっ…ただ、最近仲が良いから仁王くんと付き合ってるの?みたいな感じで軽く聞いただけだけど…」

「それをみょうじが軽く流した感じか」

「う、うん。仲良いよ〜いいでしょ〜みたいな感じで…否定も肯定もしない感じだったんだよね」



なんで幸村と参謀の方がノリノリで話を聞いとるんじゃ。そしてそんな2人に栗原が若干引いとるんじゃが。

というか、その質問に対して否定も肯定もしないみょうじもよくわからんし。みょうじが曖昧な返事をする事が多いのは知っちょるが…流石にそこは否定すべきところじゃろ。

そりゃあ、栗原が気になるのも仕方がないナリ。



「で、なまえちゃんに聞いても答えてくれないなら、仁王くんに聞こうかなって思って」

「なるほどね。ちなみに栗原さんは、仁王とみょうじさんをどう思ってるの?」

「えっ、なまえちゃんが自ら男子に話し掛けたりする事ってあんまりなかったし…仁王くんの話してる時も嬉しそうだから、なまえちゃんは口には出さないけど…応援したいなぁみたいな?」

「いや、それを俺の前で言うのはどうなんじゃ…」

「え? だって仁王くんは、なまえちゃんの事好きでしょ? 態度とか露骨だし」



…は? いやいやいや。
そんなに俺は、分かりやすいんか? "え、そうでしょ?" と言わんばかりの顔をする栗原に俺は頭を抱えた。

色々と複雑で、咄嗟に否定する事も出来たが…俺は否定する気にはなれんかった。


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