気付かされた想い (1/4)
最近、やっとテニス部の人達がプール練に慣れてきてあたしがサポートする事が減った。
なので、空いてるスペースで自由に泳いでられるので嬉しかったりする。
「みょうじ〜!みょうじ〜〜!!みょうじいる〜〜!?」
「…ちょ、川谷先輩うるさいです。そんなに叫ばなくても聞こえてます」
「やだ、この子ったら本当にプールから出るとクール!」
「わざわざクラスまで来るなんて何かあったんですか?」
「そう!そうなんだよ!!」
「ちょ、顔近いです!そして本当にうるさいです!」
今日は、プール練がないからゆっくり泳げるなぁ〜なんて思ってたら川谷先輩が凄い勢いであたしの名前を呼んだ。
いつもテンションが高くて人懐っこくて笑顔の絶えない凄く明るい先輩なんだけど、流石にそんな大声で名前を叫ばないで欲しい。ちなみに水泳部での川谷先輩の役割は部長でした。
とりあえず、川谷先輩の元に行くと何に興奮しているのかわからないけど顔が近い上にうるさいので、思わず川谷先輩の頬をぐにっと押すと悪い悪い!と笑いながら手を合わせた。
…絶対に悪いとか思ってない。
「跡部から話聞いた!?」
「…?なんの事ですか?」
「夏の大会だよ!団体戦は無理だけど個人戦なら出場出来るだろって跡部が色々やってくれたんだよ!」
「でもあたし達、一応テニス部って事になってませんでしたっけ?」
「そこは、氷帝学園からの出場って事で水泳部とかテニス部とかじゃないから大丈夫とかなんとか?まぁ、出場出来るんだよ!」
目をキラキラさせながら興奮気味話す川谷先輩は、本当に嬉しそうで思わずあたしまで笑ってしまう。
廃部になって夏の大会は出られないと思ってただけに嬉しいのは当たり前だけど、やっぱり先輩達にとって今年は最後の夏の大会だったから余計に嬉しいんだろうなぁ。
そういうあたしもなんだかんだで嬉しいんだけど、あたしは夏の大会に出たかったというよりは先輩達の勇姿をまた見たかったってだけなんだけどね。
「かわやーん!って、マジでみょうじに言いに行ってるんかい!」
「まぁ、話の途中でみょうじに言わなきゃ!とか言ってたからね」
「あ、瀬戸先輩に海野先輩」
「よっ!まぁ、その様子だと既にかわやんから聞いたと思うけど大会出れるってよ」
「ていうか、川谷は話を最後まで聞きなよ。跡部にグチグチ言われるの俺等なんだからさー」
どうやら、川谷先輩は跡部さんとの話の途中であたしのところに来たらしい。
嬉しいのはわかるけど話は最後まで…いや、あたしも跡部さんの話の途中でプールに飛び込んだ事あったや。
そして、でも本当に嬉しいなぁと川谷先輩と笑ってるのは瀬戸先輩でなんていうか…川谷先輩のお兄ちゃんみたいな人である。ちなみに水泳部での役割は副部長。
そしてそんな2人に冷ややなか視線を送っているのが海野先輩で、言動でわかる通りかなりクールでいつも騒がしい2人を止める&突っ込み役をしている。ちなみに水泳部では会計(頭が良いので)でした。
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