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…い、色々な意味でキツかったぜよ。
やっと足が付く場所に着いて、ゆっくりと浮き輪を浮かせてから出るとみょうじも浮き輪から抜け出た。
「ふぅ、なかなかの長旅でしたぁ! におーくん、付き合ってくれてありがとーね!」
「お、おうっ…こちらこそ」
「あっ、少し休憩しよっか! なんかにおーくん疲れてるみたいだし」
「そ、そうじゃな」
「ねぇねぇ、きよちゃん達もジュースいる〜?」
「えっ、いるいる! なまえちゃん、買いに行くの? 私達も一緒に行くよー!」
そして何事もなかったかの様に友人の元へ向かうみょうじになんだか、複雑な気持ちになりつつ…浮き輪を持ちながらパラソルへと向かった。
…普通に疲れたぜよ。
とりあえず、暑さはかなり紛れたが…違う意味で熱いナリ。それにみょうじの場合は、天然なのかワザとなのかよくわからんのが更に質が悪いぜよ。
「ふっ、随分と見せ付けてくれたじゃないか」
「……なんとでも言いんしゃい」
「ふふっ…やめてあげなよ、蓮二。あの仁王がみょうじさんに翻弄されてるんだから」
「……アレ、天然なんか?」
「んー、どうかなぁ。あぁ見えてみょうじさん頭良いからね。天然に見えて、かなりの策士だし」
「まぁしかし、仁王に好意的なのは確実だ。前にも言ったが、みょうじは嫌な事は絶対にしない上に頼みだろうがキッパリ断る。だが、仁王に関しての頼みは未だに1度も断られた事はないぞ」
項垂れる俺をからかう様に戻って来た参謀と幸村だったが、どっちかと言うと俺の心配をしてくれてる様じゃ。まぁ、俺が女に慣れてない上にみょうじに振り回されちょるのを見てただろうしのぅ。
いや、別にみょうじに振り回されるのが嫌だとかじゃないぜよ。ただ、色々と身が持たんからちょっと大変だって話じゃ。
そして参謀のフォローの様な、そうでもない様な言葉に更に頭を抱える。
確かに、嫌われてはいないじゃろうが…それは、みょうじのただの気紛れな気がしない事もない。それでもなくみょうじは、掴み所のない奴じゃし。
「ははっ、そんな悩まなくても。それに蓮二が言った事は嘘じゃないよ? 前、仁王にお弁当を作ってくれた時があるだろ? その時についでに俺にも作ってって言ったら、普通に断られたからね。正直、めちゃくちゃ悔しかったからね、俺」
「ふっ…しかも "えぇ〜幸村くんは、他の人に頼んでよ〜" だっからな」
「仁王のなら作るけど、俺のは面倒臭いって言われた気分だったよね」
「確かに、よくわからない奴なのは認めるが…好き嫌いがハッキリしてる分、お前への態度はかなりわかりやすいぞ」
う、うーん…。
本当にそうなんじゃろうか。
正直、女子はよくわからんし…特にその気もないのに優しく接しといて、後で "ちょっと優しくしたら勘違いされたんだけど〜" とか言うじゃろ。
ま、まぁ…確かに、みょうじはそういうタイプではなさそうじゃけど。
※海で遊んでる組
(あの仁王が青春してなぁ)
(ったく、イチャイチャしやがって)
(たまには、いいではないですか)
(あの様な触れ合いは、実に破廉恥だ!!)
(いや、真田は何に怒ってんだよぃ…)
(それにしてもみょうじさんも嬉しそうでしたね)
(だな。あいつ、あんな顔すんだな)
(仁王といる時は、あんなだぜぃ?)
(いつも気だるそうなのにな、みょうじって)
(ふふ、それに加えて眠そうですしね)
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