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ん〜、陽射しはかなり厳しいが…確かに海の中に入ってる方が涼しい。
そしてキャッキャッとはしゃいどるブンちゃん達を遠目に、俺は浮き輪でぷかぷかと浮きながらボーッと過ごしちょった。
それにしても…あやつ等、本当に元気じゃなぁ。
そんな事を思いながらボーッと空を見上げていると、パシャッと顔に水が掛かり驚いてそちらを向くと笑顔のみょうじがいた。
「えへへっ! におーくん!」
「お、おうっ…どうしたんじゃ?」
「におーくんが1人でつまらなそうだから、構って来てあげてって幸村くんに言われた!!」
「なっ…別につまらなくないぜよ。ちゃんと海を満喫しちょるナリ」
「そうなの? だけど、沖まで連れてっちゃうぞー! におーくんは、ちゃんと浮き輪に乗っててね!」
そして何故か、みょうじに沖へと連行された。ちゅーか、みょうじって泳げるんか? 普通に笑顔が浮き輪を押しちょるが心配なんじゃが。
それと笑顔で手を振っちょるお前さん等は、許さんからな。またみょうじに変な事を吹き込んだじゃろ。さっきまでみょうじは、楽しそうにビーチボールで遊んでたはずなのに絶対におかしいナリ。
とりあえず、浮き輪に乗ってる身としては下手に動くと落ちる上にみょうじが浮き輪に掴まっちょるから素直に大人しくしちょる。
「のぅ…お前さん泳げるんか? もうそれなり深いじゃろ」
「運動は苦手だけど、水泳は得意なんだ〜! あ、もしかしてにおーくん泳げなかった?」
「いや、泳げない事はないが…」
「ならよかったぁ! 泳げないのに沖に連れてっちゃったら、きっと怖いもんね〜」
「なら先に聞きんしゃい」
「へへっ…ごめんなさーい」
そんな悪びれた様子のないみょうじじゃったが、何故か楽しそうなのでよしとする。それにしてもいつもよりテンションが高いみょうじは、ニコニコで可愛いナリ。更に髪型も海だからなのか、アップにしちょるしのぅ。
そして極めつけが水着じゃ。パーカーを羽織ってる訳でもなく、普通に水着じゃからな。
ちゅーか、普通に近い…いや、まぁ浮き輪にしがみついちょるから仕方がないんじゃが。
さっきも思ったが小柄な割りにっ…はっ、いやいや…いかんぜよ。
よ、よし…帰りは逆にみょうじを浮き輪に乗せて、俺が泳いで帰ろうそうしよう。
目の毒過ぎるんじゃ。
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